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中学2年女子特別授業【第1回】 「働くということ~人は、なぜはたらくの?」.

投稿日2009/5/8

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女子部の中学2年生対象の特別授業「働くということ」シリーズ今年度第一弾。
本日は、御年七十八歳になられる人生の大先輩からのメッセージに耳を傾けました。
 
  特別授業【第1回】 「働くということ~人は、なぜ働くの?」
  講 師   林 達夫  / アークデザイン株式会社 代表取締役社長
 
終始一貫してまさに「浪花節」講演となりました。
なにしろ、講師紹介に続いて登壇なさるかと思いきや、下に下りたままで、ラジカセのスイッチをご自身で「ON!」。
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流れてきた「演歌」は、なんと『無法松の一生』。生徒らの手拍子にのせて気持ちよさそうに歌声を披露して曰く、
 
「この歌のねえ、筋書きがいいんだよね。主人公、松五郎の生き様にね、人としての美学があるんだよ。それはね、まず〈自己抑制〉、そして〈献身的〉、さらには〈一途さ〉だね。このどれも今の時代には廃れちまったものかもしれないねえ。・・・私もね、十年ほど前に一度死にかけた男でさ、にもかかわらず神様がその命を拾ってくださった。『お前、国家の為になにかやれ』ってね。だから、こうしてお話にきているってわけさ。・・・」
 
といった具合に、次から次へと「べらんめえ調」にのせて「義理・人情」の世界が生徒たちの頭上に降り注ぎました。
それは、あたかも、かわいい孫娘に、そのかわいさゆえに妥協無く伝えておきたいことはしっかりと伝えておくぞといった熱情に充ち満ちたあっという間の一時間でした。しかも、語られるその一つ一つの教訓が、他から引いてきたような借り物でなく、すべて先生の半生の、その身に刻まれた実体験からにじみ出てくるものであっただけに、実に説得力のあるものだったのです。
ゆえに、その一つ一つに「うちのめされながら」しっかり聞き取っている生徒たちの様子がその背中からもうかがい知ることができました。それというのも、お邪魔した私自身、どれだけ「うちのめされた」ことか、穴があったら入りたい気持ちで会場を後にいたしましたので・・・。
 
以下、先生の「浪花節」の中から、いくつかその語録を・・・
 
◆「久我山ってきくと、好きなんだなあ。なぜかって、みんなの先輩にね、慶應に進んだT田君ていう男がいるんだ。この男がね、我が家に遊びにくることがよくあったんだけれど、いや実に礼儀正しい男でね。こんな男が出た久我山っていう学校はさぞかしすばらしい学校なんだろうなって。みなさんね、たったわずか一人の評価がね、学校全体の評価につながるもんなんだね。」
 
◆「人の信頼、信用を未来のことで得られるか?未来、未来って言い過ぎよ。大事なのは、あなたが何をしてどうやって生きてきたかでしょ。どうなるか分からない未来じゃない。他人からの信頼を得るのは、あなたの、つまりは過去よ。」
 
◆「(後ろの先生に怒られちゃうけどね・・・)学校の成績はいいにこしたことはないけどね、たとえば、会社から『お前がぜひとも必要だ!』と思われる人間であるかないかでしょ。」
 
◆「お墓参りはしなさいよ。・・・8月22日、おふくろの命日にね、いつものようにお墓参りにいったのよ。その帰りタクシーに乗ったときにね、その運転手さんがね、『お客さん、今日はお墓参りですか?』って尋ねてきたんだよ。いくらお線香の残り香があるからといったって、どうしてお墓参りに行ったことがわかったんだろうと不思議におもっていたらね。『いやね、お墓参りに行かれたお客さんてのは、みなさんいい顔してますよ』だとさ。」
 
◆「人間に限らない、他の生き物、犬や猫もきちんと葬ってあげなさい。あなた方もじき母親となる。そうしたらね、理屈じゃないのよ、とにかくご先祖様のお墓の前で手を合わせる、涙を流す、それでいいのよ。子どもは最初はなんでだろうと思うかもしれない。でも、その母親の行いの意味があるとき『そうだったのか』とわかる時がくるのよ。」
 
◆「自分の食器は自分で流しに出す。洗面所の濡れ汚れは拭いて出てくる。常にね、あとの人のことを考えて行動することだね。」
 
◆「たとえば、家族で外食に出た際に、ジジババが会計してくれることが多いかもしれないね。(うちはいつも私ジジなんだな)さて、そんなとき、レストランを出たところで近しい間柄とはいえ、『ジジ、今日はごちそうさまでした。ありがとうございました。』この一言があるかだよ。」
 
◆「覚えておくことだ。同じ食卓にね、目上の人がいたら、決してその方が箸をつけるまでは食事を始めてはいけないよ。」
 
◆「常に小さくていいから、メモを持参しなさい。人の話を聞くときはね。」
 
◆「応接間に通されたときにね、その家の主人があらわれる前にたとえすすめられたからといってソファに腰を下ろしたりしてはいけないよ。」
 
◆「なにより他人の為に汗をかくことだね。そのことが巡り巡って自分のためになるのだから。」
 
◆「他人に何かしてもらったら、必ずお礼をすることだ。しかも、そのお礼はね、目で口でするものだよ。メールか何かでちゃちゃっと済ますようでは気持ちがまったく伝わらないからね。」
 
◆「けっして背伸びするのではなく、自分の身の丈にあったことを、コツコツと継続することの方が大切なんだよ。」
 
◆「ディズニーの哲学じゃないけど、『ありません、知りません、わかりません』は仕事では禁句だよ。」
 
◆「まだね、成田空港が完成するまえのエピソードなんだけどね。ひょんなことから、まだ、やっと滑走路部分がコンクリートで固められただけの状態のところを、好きなだけ自動車でスピードをだしてもよいということになってね。その結果、さぞかしものすごいスピードが出たと思われるだろうけど、実際にはね、せいぜい出ても100km前後だったんだ。なにしろそれ以前に、白線も引いてないだだっ広い場所だったので、まっすぐ走れないし、こわくなってアクセルを踏み込めなかったんだ。
『制限』というものがない世界ってのは、実に不自由なもんだよ。うん、自由っていうのは、不自由なんだね。ということはね、『規則』や『ルール』ってのは、自由のためにあるもんなんだね。」

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