この連休、執筆者は高校生数名(わずか2名ですが…笑)とともに、錦秋の奥秩父山塊を歩いてきました。
えも言われぬ寂しさに、一年のうちで最も泣きたくなるほどの景観が広がる山の季節です。
そうしたなか、机上では完全に学び得なかったことが実感される。
外の世界にはそうした貴重な体験のもとが詰まっているのだと思えば、必死にこらえた涙もまた報われるというものでしょうか。
落葉松 北原白秋
一
からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。
六
からまつの林を出でて、
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
浅間嶺にけぶり立つ見つ。
からまつのまたそのうへに。
八
世の中よ、あはれなりけり。
常なれどうれしかりけり。
山川に山がはの音、
からまつにからまつのかぜ。