高校グラウンドの「人工芝」敷設工事も年明けとともに本格化してきました。
それにともない、通路との境をなしていた背の高い金網フェンスが完全に取り除かれ、いまキャンパスには実に開放的な空間が広がっています。
それは目の錯覚に違いないこととわかってはいても、グラウンドはもとより前庭もふくめ以前より広々と見えてくるから不思議です。
どうやら、何事につけても「垣根」というものは極力低くあって自然なままの方が理想であるといえそうです。
グラウンドが通路と、通路が芝の庭と、そしてそれらと校舎とが、分かつことなく調和して在ることが大切なバランス感覚なのかもしれません。
そんなことを思って見つめていましたら、家路を急ぐ生徒らが、男子生徒、女子生徒、中学生、高校生とそれぞれに小さな集団を成して、つかずはなれずしながら転がるように正門へ向かっていきました。
この工事の期間だけに限られた一時的な学園風景かもしれません。
しかし、それだからこそ、その境に立ち並んだケヤキたちがかえってのびのびいきいきとして見えるのはわたくしだけでしょうか。