来年度から、こんな放課後の光景が見られなくなる?
近隣の住民の方々にも砂塵などが舞い、長年にわたりご迷惑をおかけしてきました。
このたび、正門を入って左手に広がる「高校グラウンド」もいよいよ模様替えをすることに。
本校の『草創記』を紐解けば、空襲警報の合間を縫って草むしりをしたり、
時代は下って、中学再開直後のころには、ちょうどこの季節に落ち葉焚きをしながらの焼き芋大会など・・・。
そしてなにより・・・、
野球部、サッカー部、そしてラグビー部などの運動部の華々しい活躍を生み出すもととなった多くの生徒らの汗がこのグラウンドの「土」にはしっかりとしみこんでいます。
この着工が正式に決まり、野球部の監督が語ったひとことです。
「これで、もうグランド整備をしなくてすむ。けれど・・・、
それをしないことで失うものははかりしれない・・・。」
重い一言です。
かつて、天然皮で作られた登山靴の手入れは、冬山に分け入るものにとっては自分の足先を凍傷から守るためにも登山の前後の大切な作業でした。「少しの水分の湿り気も中に入れさせないぞ」といった執念と、「また一緒に山へ行こうな」といった愛着とが、その「手入れ」作業の中にはありました。
いつしか、登山靴も「プラブーツ」(プラスティック製)全盛の時代を迎えました。そうした靴を手にしたときから、その一連の「手入れ」は一瞬にして不要なものとなりました。
あわせて、自分の「分身」ともいうべき「靴」との会話もなくなったのです。
たかが靴、されど靴。
たかが土、されど土。
時代の要請や、種々の事情により、
変わらねば
変えねば
ならないことは
この世の中に
たくさんあります。
古いコートを脱ぎ捨てなければ、新しい季節の到来を迎え入れることができないように。
しかし、
どんなに変わっても
忘れてはならないことが
必ずあることを肝に銘じておきたいものです。
生徒のみなさん、
おそらく、来春からは、砂埃に目をこすることなく、いつも鮮やかに青々とした芝の緑に目を細めることになるでしょう。
でも、どうか・・・
中学生、高校生としての学生らしい
「泥臭さ」
だけはお忘れになりませぬよう・・・。