~ 中学校 第三十一回卒業生 320名 ~
義務教育にピリオドを打ち、新たなステージへの門出となる中学卒業式。
たいへん厳かな雰囲気のうちにも、笑顔あふれる和やかで明るい式となりました。
壇上には、華道部の創作による生け花が華やかさを添え、ちょうど開式を待っていたかのように花開き始めた染井吉野が、希望に充ち満ちた卒業生の前途を明るく照らし出しているような風情を醸し出していました。
左:「卒業証書」 総代K.Nさん 右:「三カ年優等賞」 代表K.I君
…いったい大人になるということの意味はどういうことなのでしょうか。
まずは他人の気持ちに寄り添う思いやりであり、
つづいて目に見えない大切なものをしっかり想像する力、
そして権利の主張の前に課せられた義務をきちんと遂行する行動力、
この三つの点に集約されるのではないかと思います。
ある人は言います。子どもは天動説のように自分を中心に物事を考えてしまう傾向にある。しかし大人になるにしたがって、世間を周囲の人との関係を考えるようになって、次第に地動説に移行していくのではないかと。
これは、話題となった『君たちはどう生きるか』の著者、吉野源三郎の言葉です。
奇しくも、この度、國學院大學関連の出版物の中でも、池上彰氏がこの一冊を推挙しています。
まだ、読んでいない人はぜひこの機会に一読してみください。何かこれからの生活に必ずやヒントを得られるだろうと思います。
さて、先日3月14日、物理学者、スティーブン・ウィリアム・ホーキング博士が亡くなりました。
生前、氏は、今後AI等のテクノロジーの進歩によって人類の富の分配が進み、より不平等な状況が顕著になることを危惧していました。
皆さんこそが、そうした未来を生き抜いて行かなければならない世代に当たります。
どんな時代になろうとも、皆さんは、様々な角度からものを見つめ、いろいろな考えをめぐらすことをもって、前に進んでいって欲しいと思います。 (学校長 式辞 より)
つづいて、在校生総代のM.Oさんが送辞のなかで、あたたかく導いてくれた卒業生に対する感謝と尊敬の気持ちを表しつつ、バトンを受け継ぐ決意を力強く述べました。
そして、卒業生を代表してS.T君が、三年間の中学校生活を率直な言葉で回想しながら、別れは同時に新たな始まりであると、力強く前を向いて一歩を踏み出していく誓いを立てていました。
この卒業式をもって、お陰様で平成二十九年度のすべてが終了いたしました。
有形無形、さまざまな形でお世話になったみなさまがた、誠にありがとうございました。
まもなく始まる新年度もどうぞよろしくお願いいたします。