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「天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていく」.

投稿日2012/3/15

 『平成22年度 文部科学白書』 より
 
本日は、学年末試験の答案返却日。
久しぶりに在校生全員が揃うこの機会に、
臨時の全校朝礼が行われました。
 
「東日本大震災」から1年。
私たちにできることは、
今、私たちがしなければならない目の前のことに
精一杯力を注ぐこと、これにまさるものはありません。
 
「先ず隗より始めよ」
校長先生からこの意識の大切さが確認されました。
その話の中で引用されたのが、
あの被災地から全国に届けられた
『卒業生代表の言葉』でした。
 
まもなく、本校でも15歳が節目のときを迎えます。
「天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていく」使命を負った若人の一員として・・・。
 
以下、異例の形で『文部科学白書』に採られた
宮城県気仙沼市立階上(はしかみ)中学校
卒業式での「言葉」を
この機会にすべて掲載させていただきます。
 
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卒業生代表の言葉
 
 本日は未曾有の大震災の傷も癒えないなか、私たちのために卒業式を挙行していただき、ありがとうございます。
 ちょうど十日前の三月十二日。春を思わせる暖かな日でした。
 私たちは、そのキラキラ光る日差しの中を、希望に胸を膨らませ、通い慣れたこの学舎(まなびや)を、五十七名揃(そろ)って巣立つはずでした。
 前日の十一日。一足早く渡された思い出のたくさん詰まったアルバムを開き、十数時間後の卒業式に思いを馳せた友もいたことでしょう。「東日本大震災」と名付けられる天変地異が起こるとも知らずに…。
 階上(はしかみ)中学校といえば「防災教育」といわれ、内外から高く評価され、十分な訓練もしていた私たちでした。しかし、自然の猛威の前には、人間の力はあまりにも無力で、私たちから大切なものを容赦なく奪っていきました。天が与えた試練というには、むごすぎるものでした。つらくて、悔しくてたまりません。
 時計の針は十四時四十六分を指したままです。でも時は確実に流れています。生かされた者として、顔を上げ、常に思いやりの心を持ち、強く、正しくたくましく生きていかなければなりません。
 命の重さを知るには大きすぎる代償でした。しかし、苦境にあっても、天を恨まず、運命に耐え、助け合って生きていくことが、これからの私たちの使命です。
 私たちは今、それぞれの新しい人生の一歩を踏み出します。どこにいても、何をしていようとも、この地で、仲間と共有した時を忘れず、宝物として生きていきます。
 後輩の皆さん、階上中学校で過ごす「あたりまえ」に思える日々や友達が、いかに貴重なものかを考え、いとおしんで過ごしてください。先生方、親身のご指導、ありがとうございました。先生方が、いかに私たちを思ってくださっていたか、今になってよく分かります。地域の皆さん、これまで様々なご支援をいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。
 お父さん、お母さん、家族の皆さん、これから私たちが歩んでいく姿を見守っていてください。必ずよき社会人になります。
 私は、この階上中学校の生徒でいられたことを誇りに思います。
 最後に、本当に、本当に、ありがとうございました。
                                    平成二十三年三月二十二日
                                      第六十四回卒業生代表
                                                   梶原 裕太

 《『文部科学白書2010』東日本大震災への対応 Column No.3 》(文部科学省)より転記
 
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ちなみに、梶原裕太君は、その後高等専門学校に進学。
将来、災害情報をいち早く伝えるシステムの開発を目指して、
コンピューターの勉強に勤しんでいるとのことです。

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