「今年のは、いつもより少し小ぶりでかわいらしいですね~」
今朝方、事務室の方が教えてくださいました。
例年この時期から年末にかけて、正門付近でその姿をよく見かけるようになります。
その名は…
『シダーローズ』
ちょうどクリスマスに向けて、飾り付けのリースなどによく使われています。
シダーは「杉」(マツ科)、ローズはもちろん「薔薇」のこと。
自然が作り出した木彫りのようでもあり、芸術的なチョコレートのようにも見えます。
実際には、ヒマラヤ杉の球果(松笠)の皮が次々にはがれ落ち、最後に残ったその頭の部分がちょうど薔薇の花弁そっくりに形づくられているのでそう呼ばれているのですが。
しかも、実際に小春日和の日など、陽光に反応して、少しばかりその花弁を開いていくとのこと。
ますます神秘的な自然の贈り物です。
運動部の応援歌としても採られている『久我山讃歌』にもその存在がうたわれています。
仰げ 大杉 天聳る
かのヒマラヤの かの木ぬれ
秀むらの そよぎ すがすがし ~
もっとも、在校生諸君にあっては、とりわけ朝方は、校長先生をはじめ多くの先生方が出迎えている正門にてこの天からの贈り物を手にとりゆっくり鑑賞するなどという心の余裕はとてもないようですが…(笑)
ところで、そのもとになる「ヒマラヤ杉」自体の花言葉はというと…
「たくましさ」
「あなたのために生きる」
奇しくも、今朝は、中学生が一堂に会して、先日の選挙で当選した生徒会(後期)役員たちにとっての正式な船出となる「任命式」が執り行なわれました。
残念ながら選に漏れてしまった候補者たちもふくめ、皆がその立会演説会で異口同音に訴えていたのは…
「自分たちの力でもっと楽しい学校生活を!」
こうしたたのもしい主体的な姿勢を主張したのに加え、
「みなさんのために精一杯がんばりたい!」
といった利他的かつ献身的な思いが語られていました。
そうした候補者たちの選挙活動が、もっぱら登校してくる在校生たちへの直接的な「あいさつ」という形で、毎朝寒い中、まさにそのヒマラヤ杉のもとで行なわれていたことは偶然ではないように思われるのです。