明日発行される『校報』(弟582号)が一足はやく手元に届けられました。
『校報』は、家庭と学校とをつなぐパイプ役として、創刊時点から一号も欠かさずに毎月発行されている機関紙です。
「報道・記録」に「教育」を加えた三つを編集の柱に据えて、かれこれ半世紀にわたり「久我山」の歴史を綴ってきたことになります。
最近、個人的に楽しみにしているのが、巻末におかれた1200字程度のコラム、〈自由席〉です。
まさにその名の通り、先生方の自由な寄稿によるコーナーで、その人柄に触れられたり、また意外な一面が垣間見られたりと 魅力に満ち満ちています。
今回は、地歴公民科のK.I先生の「父の一言」と題した文章でした。
小さな縫製工場を営む父親。職人気質のそんな父の背中を見て育った息子の選んだ仕事は、まったく畑違いの「教師」。
しかし、「教師」になって5年後、転機が訪れます。 父親が病に倒れたのです。幸い一命はとりとめ大事には至らなかったものの、このことを契機にして「教師」の職を辞し家業を継ぐことに。
ところが、現実は厳しく働けど働けど赤字続きの経営状態。
そうした状況にあっても、一生懸命に仕事を続ける父親にある日「なぜ?」と尋ねてみます。
「服が好きだからだよ。」
衝撃的だった。
「だからお前も好きなことをやれ。
好きなことなら一生懸命になれる。」
この父親の「一言」で、
先生はふたたび「教師」の道へ、そして縁あってこの久我山の教壇へ。
「好きなことなら一生懸命になれる。」
なんと胸がスカッとするさわやかな一言でしょう。
思えば、今日は三鷹の「風のホール」にて
中高の音楽部(コーラス)による定期演奏会が催されました。
歴代のOB、OGにお母さん方までもステージを彩って・・・。
歌うことがなにより「好き」だから
ステージから響く歌声には、そんなメッセージがこめられていたことでしょう。