「これでも、今年は暑い方なんですよ」
お宿の方はそうおっしゃる。
しかし、下界から、しかも「校内講習」から間髪入れず一気に700mから800mの山上集落へ上がってきた我々としては、やはりここは別天地である。
広間に特設された「教室」に参加者全員がすし詰め状態であっても、窓を全開にしてせいぜい扇風機の力を少々借りる程度で十分涼しい。夜間の「自習時間」には、「寒くなってきたので窓を閉めてもいいですか?」といった声まで飛び出す始末。
今日から30日までの3泊4日、中学2年の男子生徒数十名と、ここ武蔵国〈御嶽山〉に山ごもり。
自学自習の習慣化を目標とした「合宿勉強会」なのだが、この御嶽神社はその昔から「おいぬさま」と崇められてきた山岳講の要所。
あの「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)」が山中に迷った際、この御嶽山に棲む「犬(おおかみ)」が現れ、その命を救ったとの伝説がある。
どうか、「おいぬさま」には、このたび参加した者たち一人残らず正しくお導きくださいますようにと願うばかり。
ところで、当地は「レンゲショウマ」の群生地としても名高い。
見頃は、8月に入ってからゆえ、あきらめていたところ・・・
・・・早咲きのいくつかが、いつものようにお辞儀しながらちゃんと出迎えてくれました。