昨年の「能楽」につづき、《女子部特別講座:日本の伝統文化にふれるシリーズ》第二弾、「歌舞伎」。
折しも、今週金曜日には、学年行事として国立劇場が主催する「歌舞伎鑑賞教室」に出かけます。
本日は、その事前学習の場としても、たいへん意義深い時間を過ごすことができました。
女子部 高校2年 特別講座
《歌舞伎の魅力》
第7時限 小講堂
A.S先生(国語科)
・・・400年もつづくその「歴史」は、慶長8(1603)年、出雲の女性芸能者である阿国(おくに)が、京の北野神社にて念仏踊りをしたことがその始まりとされています。
また、「歌舞伎」そのものの「語源」は「傾く(かぶく)」から。「華美で異様な装いや振る舞いをする」ことを意味する「傾く」より、その後「歌あり、舞あり、伎あり」の世界ゆえ、その音の「か、ぶ、き」を充てたようです。
こうして、遊女の「女歌舞伎」に始まり、美少年による「若衆歌舞伎」へ、さらに現在の原型ともいうべき「野郎歌舞伎」へと変遷していきます。そして、元禄文化花盛りの五代将軍綱吉のころ、坂田藤十郎らの上方「和事(わごと)」と市川團十郎らの江戸「荒事(あらごと)」に分かれ、伝統を重んじる上方に対して革新的な江戸という対照的な構図をもつようになりました。
脚本家には、文化文政期の「鶴屋南北」や江戸後期から明治期にかけての「河竹黙阿弥」などが有名です。
さて、このたびの「鑑賞教室」の演目は『義経千本桜』より『河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場』。
幸運なことに「花道」の近くに座席が割り当てられているようですから、「見得」(感情の高まりを表現)や「ケレン」(早替わり・引き抜き・宙乗り など)、間近に味わうことができるでしょう。
『義経千本桜』 河連法眼館の場 あらすじ ~リーフレットより~
・・・兄頼朝から反逆の疑いをかけられた義経は、大和国吉野山に住む河連法眼の館に匿われていました。そこへ家臣の佐藤忠信が参上します。義経は恋人の静御前の守護を忠信に頼んでいましたが、故郷から来たばかりの忠信には覚えがありません。すると、静御前と忠信の到着が告げられます。実はその忠信は、静御前が持つ“初音の鼓”の皮に使われた狐夫婦の子・源九郎狐の化身で、両親を一途に慕って静御前に同行していました。親子の深い情愛に胸を打たれた義経は源九郎狐に鼓を与え、源九郎狐は大いに喜ぶのでした。・・・