先週の高校二年生に引き続き、早朝の凍てつく寒さのなか、男子部中学三年生が「寒稽古」にいそしんでいます。
ちょうど澄明な朝陽が東の空を染め上げるころ、太鼓の音が稽古の開始を告げていました。
柔剣道ともに、稽古の中身は高校生とは異なり、徹底して「基本」の繰り返し。
素振りも受け身も、その基本動作がいざというとき自然に出来るようになるには、反復練習にまさるものはありません。
ところで、昨日は新たな横綱の誕生に話題が持ちきりでした。
「横綱の名に恥じぬよう精進いたします」
なにかと注目された「口上」は、その人柄がうかがわれるたいへん簡素なものであったとの声が盛んに聞かれました。
しかしながら、一見シンプルに見えるこの誓いに込められた「精進」という言葉ですが、その意味するところは…
雑念を払い
身を清め
精神を集中して励むこと
言うは易し。
この実践は我々人間にとって最も難事といえましょう。
それゆえに「寒稽古」の求める境地そのものでもあるのです。
思えば、柔剣道も相撲道も
その共通する「道」を極めるためには、
「基本」の繰り返しによって
ひたすら「精進」を重ねていくしかないようです。