例年、高校2年生対象に行われている《歌舞伎教室》。
今年の演目は・・・
歌舞伎 十八番の内
『鳴神』(なるかみ)
大薩摩連中
雲の絶間姫 片岡 孝太郎
鳴神上人 片岡 愛之助
国立劇場が主催する6月の「歌舞伎教室」に参加いたしました。
ところで、この出し物、『鳴神』とは・・・
「徳を積んだ厳めしい僧が、世にも美しい姫によって心を乱されてゆく」ーーー人間の本性をついた物語が、古風でおおらかな演技を通じ描かれます。このお芝居ー『鳴神』は、二代目市川團十郎が寛保二年(一七四二)に初演した『雷神不動北山桜』の一場面が基となり、市川團十郎家の代表的なお芝居「歌舞伎十八番」の一つとして人気を集めています。
時の朝廷に恨みを抱いた鳴神上人は、雨の神である竜神を、滝壺へ閉じ込めて山奥に籠ります。このため日照りが続き、朝廷は雲の絶間姫という美女を鳴神のもとへつかわします。雲の絶間姫の美しさに、鳴神は、夫婦になろうと迫りますが、言葉巧みに姫から酒をすすめられ、酔いつぶれてしまいます。こうして姫の計略は成功し、滝壺から竜神が解き放たれ、激しい雷雨が起こります。だまされたと知った鳴神は怒り狂って姫を追うのでした。 (『ちらし』より)
「心を乱され」、「酔いつぶれ」、「だまされ」てしまう鳴神上人に、同じ男性としていたく同情してしまうのは、わたくしだけだしょうか。(笑)
そんなことを考えながら夕闇迫る職員室にて仕事の片付けをしていたところ、窓のほんのわずかな隙間から思いがけず、実にかわいらしい訪問者がありました。
おそらく、小クワガタでありましょう。
それもたいそう幼く、その名にあるようにとても小さな体形をしています。
またその直前には、パラパラと突然の雨・・・
これは、もしやクワガタは鳴神上人の化身?、にわか雨はその上人の悔し涙か?
とは、考えすぎでしょうか。(笑)