このたび、初めて学校(入試)説明会を、系列の國學院大學の渋谷キャンパスにて実施しました。
午前の男子、午後の女子ともに、学術メディアセンター内の常盤松ホールと百周年記念館内の講堂の二箇所に分かれて行われました。
この日は、土曜日ということもあり、神道関係のシンポジウムをはじめ、浮世絵に関する研究発表やその他さまざまな学会の集まりに加え、年末に向けて追い込み時期にある現役の大学生たちが共同でレポート作りに励む姿があちらこちらに見られ、通常の校内とは一味もふた味も異なるまさに学術的な雰囲気に包まれながらの説明会となりました。
かはづ鳴く神奈備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花
厚見王 『万葉集』 より
数多く大学はあれど、俗世と神域とを分かつようにせせらぎが絶えることのない神奈備川が流れているキャンパスは唯一無二でありましょう。
そのせせらぎの脇の山紅葉も、色づきが濃くなりはじめ、右手の手水舎の上にははらはらと扇を広げたような落葉が舞いおりていました。
そんな折、ひと組の父子が並んで静かに鳥居を潜り、ゆっくりと神殿に歩を進めて行きました。
そして、本殿に手を合わせようとしたその時、神殿の裏手から差し込む日の光が木立を抜けてお二人を照らし出すように神々しい雰囲気を醸し出していました。
その静かなる一部始終を目の当たりにするにつけ、大学を会場として実施できたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。
どうか、この父と子をはじめ、今日ご参加くださった皆様のご健闘をあらためてこの國學院に鎮まる神に願うばかりです。
なお、説明会後には、希望者を対象に同じ大学内に併設された「博物館」の見学ツアーも実施され、古代の土器や埴輪の類、曼荼羅絵巻や古文書など、ふだんなかなかお目にかかれない貴重な展示品をもご覧いただきました。