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《JICA国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト2009》 特別学校賞・審査員特別賞・佳作 3部門受賞!.

投稿日2010/2/17

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このたび、JICAが主催する《国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト》に応募した中学3年生の中から、男女各1名が見事に入賞を果たしました。
 
 審査員特別賞   加藤 夏穂 『地球と私のためにできること』
 
 佳      作   黒河 賢人 『小さな一歩から未来を守れ!』
 
なかでも、「審査員特別賞」は、応募者総数73,536点(中学生49,081点 高校生24,452点)のうちのわずか4点という狭き門でした。
その副賞は、なんと「海外研修旅行」。JICAが国際協力を実践している開発途上国へ夏休みを利用しての約1週間にわたる研修旅行です。
また加えて学校自体も、ここ近年の実績が認められて有難いことに「特別学校賞」をいただきました。
こちらの「副賞」は、色鮮やかな手作りタペストリー
 
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バングラデシュの伝統刺繍である「ノクシカタ・タペストリー」は、人間愛を意味する「孔雀」と「結婚式」、富や豊かさを表す「象」が刺繍されていました。
 
 → 2月9日の授与式の様子は、 こちら
 
 
さて、両君のエッセイですが、ともに地球環境に目を向けるという壮大かつ遠大なテーマを扱いながらも、大上段に構えることなく地球人のかつ先進国の一員としてまずは個人レベルで取り組むことのできる身近なアクションについて目を向けている点がすばらしいと感じました。
 
尊敬する祖父や父の姿に感化された加藤さん
今年度本校を訪問されたキリバス共和国大統領の訴えに心痛めた黒河くん
二人ともその心がそのまま素直に1,200字に綴られて読む者の共感を誘ってやみません。
 
 ↓ 作品は、次ページをご覧ください!
   ※ 本人の承諾を得て「作品」全文と「氏名」を公開しています 

 
★ 審査員特別賞

   地球と私のためにできること

                                加藤 夏穂 (中学3年女子)
 
 疲れた足をひきずるアスファルトの道。夏休みの部活はいつにも増してきつい。早く帰ってシャワーを浴びて、冷房の効いた部屋でアイスを食べよう。私は冷房の効いた電車の中で考えながら帰途についた。
 ソファーの上でテレビを観ながらアイスを食べていると紙おむつのCMが流れ、可愛い赤ちゃんのおしりがズームアップ!隣で母が
「あなたが赤ちゃんの頃、おむつを替えようとするとおじいちゃんに吸水ポリマーは砂漠の緑地化に使うべきだと力説されたのよ。」と笑って言った。
 祖父は砂漠緑地化でエジプトへ、JICAの技術供与でウルグアイへ行っていたことがある。暑さに弱く、胃腸も丈夫でない祖父が発展途上国への支援の為、海を越えた。その技術を現地の人々へ伝えるために。
 不意に砂ぼこりの舞う暑い異国にいる私の姿が目に浮かぶ。私は毎日遠い井戸へ水くみのために裸足で歩く。ずっと学校へ行っていない。清潔な水が手に入らないから病気になる友達がたくさんいる。先進国では抗生物質の服用や、ワクチンを打てば簡単に治る病気で小さな子どもが毎日たくさん死んでいく…。
 庭で母がする打ち水の音で我にかえった。私は当然のように学校へ通っている。家族も友達も皆元気で食べるものも充分ある。私の今の悩みは成績のことや、部活のこと…。もちろん今の悩みは早急に自分で何とかしなければならないのだが。
 生まれた国の違いで明日を迎える子どもの環境に違いがありすぎる現実。地球という船に乗る私達が笑い合って明日を迎えるにはどうしたらいいのだろうか?
 エンジニアとして異国の技術発展に協力してきた祖父、ユニセフへの寄付を少しずつしている父、CDやDVD、ディズニーランドの半券など私達が使えなくなったと思っているものが困っている人の役に立つことを知り、こつこつためている母。壮大なプロジェクトだと思っていた「地球のためにできること」は案外身近にこつこつ行われていた。
 私はどうしよう?まず、毎日勉強できる幸せをかみしめて自分を成長させよう。誰かのために何かをすることが幸せだと感じられる人間になろう。今は具体的に私に出来ることはわからないから、私が出来る小さいことを続けよう。
 少し涼しくなった夕方の風を部屋に入れて、エアコンとテレビを消した。ユニセフの寄付は父と一緒に私のお小遣いを送ろう。祖父に緑地化の方法を聞いてみよう。日々の自分の努力と小さなエコと世界を常に見る目を持てば、私は地球号の隣人に幸せを分けることが出来る人になれるだろうか。この夏よりも来年の夏、少しでも成長している自分であるように。そして数年後、明確に地球のために出来ることを提案できる私になりたい。
 
 
 
 
★ 佳作
 
   「小さな一歩から未来を守れ!」

                             黒河 賢人 (中学3年男子)
 
 今年五月、僕の学校にキリバス共和国のアノテ・トン大統領が講演にいらっしゃった。太平洋・島サミットに出席するため来日され、サミットの前に、日本の子供達に、今のキリバスへの地球温暖化の影響を知ってもらいたいという強い願いから計画されたそうだ。
 キリバスは温暖化による海面の上昇により、最も早く影響を受けていると聞いた。僕は最初、危ないと騒がれているという漠然とした印象しか持っていなかった。だが、キリバス全体が海に沈む可能性が高いため、国民が近い将来、海外移住をしなければならないと聞き、僕は一瞬、何も言えなくなってしまった。二酸化炭素をほとんど排出していないキリバスの人々がこんな目にあうなんて…。この現実に衝撃を隠せなかった。そして、もっと許せないのは、日本という先進国で、このニュースをあまり聞いたことがなかったことだ。議長国である日本だが、まだ京都議定書で定めた目標を十五%も上回っている。このままで、環境先進国と日本は呼ばれていいのだろうか。環境に関して世界の手本にならなければならない先進国なのに…。
 今までの行いを省みると、日本の国民一人一人が本気で考えなければならない時がやってきたのだと思う。そこで僕は、この講演を聞いた日から、身近な地球温暖化対策を始めた。お風呂に入る時はなるべくシャワーを使わない。割り箸は使わず、自分の箸を持ち歩く。冷房をなるべく使わず、窓を開ける。昼間は電気を消す…。ささいなことだが、これらは地球温暖化対策としてだけでなく、エネルギーの節約にもつながる。まさに一挙両得。そして、“ちりも積もれば山となる”だ。
 一方で、忘れてはならないのは、地球温暖化や環境を守るのに欠かせない風力発電などの科学技術は、日本が世界一であるということだ。日本企業の、環境に対する取り組みはとても熱心なものであり、評価されるべきだと思う。車を生産する企業では、ハイブリッド車の開発をはじめとした取り組みが進んでいる。メディアでもよく取り上げられている。
 このように、企業レベルでの環境に対する配慮は進んでいるように思えるが、一人一人となると、まだ配慮が足りないことにとても矛盾を感じる。世界の中の日本を意識し、各自が本気で環境問題に対して厳しく取り組んでいかなければならない。日本もキリバスと同じ島国…。このままだといつかは水没の危機にさらされるかもしれない。決して他人事ではないのだ。
 せっかく僕らの学校にアノテ・トン大統領が来て下さったのだから、まずは僕達一人一人が自覚を持ち、身近なところから環境への取り組みを呼びかけていきたい。小さな一歩でも、いつか自分たちの未来を、そして地球の未来を救えるはずだ。

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