……山の中である。
あるところは岨づたいに行く崖の道であり、
あるところは数十間の深さに臨む木曾川の岸であり、
あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。
一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。…… 」
『夜明け前』 島崎藤村 より
今朝方、木曾の山中で合宿に入った陸上競技部の監督から、さっそく朝飯前に行われた走り込みの様子を伝えるメールが届きました。
乗鞍岳を間近に望む雲上の高地にて20㎞ほどクロスカントリーコース(不整地)を走ったとのこと。
例年ならば、この時期はちょうど開催中でもあるインターハイに出場しているころ。
しかし今夏は、その出場を逃したこともあり、かえってこのように部員全員がそろって走りこむことができたのでした。
それもこれもすべては、年末に行われる「全国高校駅伝」のため。
個人種目が多い陸上競技の中にあって、この国発祥の「駅伝」は、文字通り一つの襷をみんなでつなぐチームスポーツそのもの。
だれかれにたよることなく、全員が心身ともに向上心をもってチーム全体の底上げをはかっていかねばなりません。
8月に入り、この陸上競技部に限らず、多くのクラブが校内外にて夏合宿に入っています。
流した汗の分だけ、その努力は決して裏切らないもの。
夏に鍛える……仲間との結束をより高め、その先で確かな実りを得るためにも。