古来、吉兆のしるしとされた朝雨が軽塵を潤すなか、いよいよ式がはじまるころには薄日が差し込み、あたかも卒業生の晴れの門出をあたたかく祝福しているようでした。
平成二十七年度 高等学校 第六十七回 卒業式
卒業生総数 456名(中高一貫生297名)
式は、まず卒業生を代表してY.S君に「卒業証書」が、次いでS.Iさんに「三か年優等賞」が授与されました。
その後、厳かな雰囲気のうちに各種の表彰がつづき、学校長が式辞の中で例年壇上に飾られる松に代わって添えられた生花についてふれ……
…今日の佳き日を無事に迎えることができたのは、卒業生のみなさん一人一人の努力の賜物であることはいうまでもありません。しかし、同時にいつでもどこでもみなさんを後押ししてくださったご家族のお陰であることも決して忘れてはなりません。
今年は、この壇上に華道部員たちが生け花を飾ってくれました。そこには、みなさんの前途がどうか「勇ましく華やかに」ありますようにとの願いが託されています。また例年の「松」には、いかにうつろいゆく時の流れの中にあっても、不変の真理だけは見失うことのないようにというメッセージが込められていたのです。
ところで、みなさんが入学した際、わたくしは「目標に向かって何事にも臆することなく挑戦せよ」と激励しました。そのことば通り、この年末年始にかけての各クラブの躍進など、その成果を十二分に示してくれました。
さて、まもなく18歳以上に選挙権が与えられることになります。この機会に、あらためて世の中に対する強い関心と自分自身の確固たる考えをもってほしいと思います。
J.Fケネディの名言、「Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.」のごとく…。
最後に「第一印象となる外見」と「信頼につながる時間を守ること」を大切にしてください。
また、みなさんにとってこの國學院久我山がいついつまでも「心の拠り所」「身の拠り所」であることもお忘れなく。(学校長「式辞」より)
次いで、今や三万五千名を越える同窓会の「久我山会」会長からは、「積極的に考えて行動せよ」、「人と人との繋がりを大切に」と力強く激励の祝辞がおくられました。
その後、在校生総代のR.K君が常にあこがれとしてあった先輩へ感謝と励ましの『送辞』をおくれば、卒業生総代のY.M君が『答辞』として心をこめて……
…たくさんの思い出において友人の存在を欠かすことはできません。
私たちの青春そのものであるこの国学院久我山で学んだことを生かし、それぞれの夢へ向かって進んでいくことを今ここに誓います。
……力強く、別れの決意を述べてくれました。
巣立ちゆく
第六十七期生、四五六名の前途に
幸多かれと祈ります
いざ さらば
お元気で