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「若者の選挙と民主主義」@2/22 高校1年〈弁論大会〉 《最優秀賞》弁論.

投稿日2016/2/25

先日行われた高校1年生対象の「弁論大会」において、見事「最優秀賞」に輝いたY.K君(男子9組)の発表原稿が手元に届きましたので、ここにご紹介いたします。
 
若者の政治離れ、ひいては選挙そのものへの無関心に対して、若者自身の立場からその打開策を具体化して示しつつ、民主主義の根幹の本質にまで掘り下げて問題を直視した論旨は、明快にして説得力のある内容となっていました。
きけば、会場における本番では、この原稿にはほとんど目を向けることなく自分の言葉として消化しつつ聴衆に向けて熱弁をふるったとのこと。まさに、「人民の人民による…」とのかの名言を想起させるに十分なたのもしい弁論であったことでしょう。
こうした若者がいることで、この国の行く末に明るい光明をみたような気がいたします。
 
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昨年6月、公職選挙法が改正され、今年夏の参院選から、選挙権が18歳以上の国民に与えられるようになりました。約2年後には我々のほぼ全員が選挙権をもつことになります。
 
しかし、2014年の衆院選では投票率52.66%と戦後最低を記録し、20代では32.58%となって、若者の政治離れは深刻な状況です。一方、60代では68.28%と比較的高く、若者の政治離れがこのまま進めば、政治家が高齢者ばかりを優遇する「シルバー民主主義」が進行しかねません。
 
ではどうすれば若者の目を政治に向けられるのでしょうか。若者が選挙に行かない理由は次の3つと考えられます。一つ目は、選挙に行っても意味がないということ。二つ目は、選挙に行くのが面倒だということ、三つ目は、政治についてよく分からないということです。
 
このような理由への対策は、有権者の教育による意識変化、投票ルールの改革、選挙運動の改善です。
 
まず、選挙に行っても意味がないという理由がありますが、選挙は民主主義の根幹であり、これをないがしろにすれば、民意を反映しない政治が行われる可能性が増大します。小中学校のときから将来の有権者を育成するため選挙の意義をきちんと教えることや、模擬投票の機会を増やすことが必要です。国民が選挙に行くのは当然と思える環境を創ることが大切なのです。一方、教員には政治的中立性が求められるのは言うまでもありません。
 
次に、選挙に行くのは面倒だという理由に対する策は、次のような投票ルールの改革です。公示日までに各有権者に、有権者識別IDと投票用紙を郵送します。投票のやり方は、一つ目として、IDと用紙を投票所に持って行き投票するというやり方、二つ目に、その用紙に候補者名を記入して選管の元に郵送するやり方、三つ目として、IDを用いてネットで投票するというもので、これらから一つを選択できるというものです。ちなみに、昨年の国勢調査では、初めてネット調査が行われ、約三分の一の世帯がこれを利用しました。
 
投票手段が増えると二重に投票できるのでは、という懸念はあると思います。しかし、選管ではIDをきちんと管理し、入念に選挙に備えれば、これらの懸念は払拭できるのではないでしょうか。また、オーストラリア、シンガポール、スイスなどの国々では正当な理由なしに棄権した人には罰金が科せられています。例えばオーストラリアでは日本円にして約二千円の罰金のおかげで投票率が95%になっています。日本でこの手段をとるならば慎重に検討されるべきですが、情勢次第では導入もやむを得ないのかもしれません。
 
最後に、政治がよく分からないという理由への対策は、選挙運動の改善です。2013年にネット上における選挙運動が解禁されましたが、候補者たちはネット上では政策に関する発信をあまり行いませんでした。政治家には演説、チラシ、ネットのなどの多様な手段で国民に分かりやすく政策を伝える努力が必要です。一方、有権者も、ネット、新聞やテレビから情報を得たり、実際に政治家の演説を聞くことも必要です。政治家や政策の善し悪しを判断できる力を高めることが大切なのです。
 
このように、教育による意識変化、投票ルールの改革、選挙運動の改善が若者の政治離れを食い止められると思います。選挙は民主主義の根幹です。一票を投じるという有権者の責務を我々も数年後背負うことになります。その選挙を有意義なものにするため、今述べたような考えを打ち出し、よりよい意見を導き、民主主義のあり方を示すのも我々国民の責務なのです。
 
最後にアメリカのケネディ元大統領が大統領就任のときに行った演説から一部を引用します。
 
 Ask not what your country can do for you,  
       ask what you can do for your country.
 
  
国があなたのために何をしてくれるかではなく、
       あなたが国のためになにができるかを問いかけようではありませんか。

 

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