女子部中学二年生対象のシリーズ企画、『働くということ』。
5月8日の第1回につづく第2回目(14:00~15:30)は、
各界の第一人者である3人の外部講師の方をお招きして
「世の中のしくみ」を通じて「働く」ことの意義を学びました。
三会場に分かれて行われたその「授業」に
それぞれ少しばかりお邪魔してお話をうかがうことができました。
◇尾原 蓉子(おはらようこ)氏
IFIビジネススクール 名誉学長
「創 ・ creationの世界から見えるもの ~創るよろこび」
・・・人生は長期展望でみることが大切です。時にスローダウンしてもそれは決して無駄にはなりません。たとえば、自分のやりたいことのために結婚や出産・育児を遠ざけてしまう人がいますが、そうした一見回り道のように見える経験もいつの日か自分の仕事にプラスとなる経験なのです。私も自分の興味関心からアメリカへ渡り勉強する機会をもちましたが、その後そうしたファッションデザインを通じたビジネススクールが当時この国にないことを知り、ならば創設してしまおうということで、あらたに教育への関心もまた芽生えてきました。このように、なんとなく努力するのと、目標をもって努力するのとでは、到達点が違ってきます。成功する人というのは、今の自分の立ち位置(才能、興味関心、そして目標)をきちんと把握した上で努力をし続けていく人です。そして、なにより大切なことは、躊躇することなくまず「やってみる」ことです。・・・
◇平田 正(ひらたただし)氏
協和発酵キリン株式会社 名誉相談役
「工 ・ technologyの世界から見えるもの ~イノベーションが世界をリードする」
・・・今、世界はあきらかに「大競争社会」のただ中にあります。こうした時代に「国」と「個人」はどう対処するべきでしょうか。もちろん「国」はイノベーション、つまり新しい技術革新に邁進するべきでしょう。そして「個人」は、他人と同じことをやっていては駄目なのです。では、他人と違うことを編み出し実践していくためには何が必要となるのでしょうか。私が出会ったたいへん示唆に富むアインシュタインの次のような碑文(メッセージ1929年)を紹介します。「・想像することは知識を持つことより重要です。・知識には限りがありますが、想像することは無限です。・世界のあらゆることを思いめぐらすことができます。」ここにいう「想像する」とは、自分の頭で考えることにほかなりません。・・・
◇西村 英俊(にしむらひでとし)氏
双日株式会社 顧問
「商 ・ businessの世界から見えるもの ~商社の仕事と私たちのくらし」
・・・北京やニューヨークで働くなかで、わたしには徐々に「世界平和に貢献したい」「次世代に伝えたい」といった遠大な目標が見えてきました。実際、中国には学校建設などもしてきました。一校350万から400万で建設ができ、またそうして作られた学校はいつまでも美しく保たれていて感激します。さて、人は集団を形成しなければ一人ではいきていくことができないものです。ゆえにラグビーの「One for all , All for one」の精神が大切です。自分もまた他人のために貢献しなければなりません。では、ひとりぼっちにならないためにはどうしたらいいのでしょうか。いまは「集団の中の孤独」という状況にある人が増えてきています。なにより「私はみんなといっしょにいるから安心だ」という気持ちをもてる環境作りが必要です。そのためには、どんな場面にあっても引っ込み思案にならずに、少し恥ずかしくても少しの勇気が出なくても、とにかく「実行に移す」ことから始めてみましょう。「わたしってダメね」という後悔は悪循環を生むだけです。・・・