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「生命を見つめる」 高校三年 卒業特別講演会.

投稿日2009/10/3

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例年、久我山祭の中で同時開催されている
高校三年生対象の〈講演会〉
今年は、その久我山祭自体が中止となりましたが、
卒業まで半年を切った三年生への「はなむけ」として
本日、この〈講演会〉だけはなんとか実施に踏みきりました。
 
 高校3年 卒業特別講演会 (←詳細はこちらをクリック)
 テーマ 「救急救命より生命を見つめる」
 10:50~12:00 第一体育館
 講師  小峯 力(こみね つとむ) 先生
      日本ライフセービング協会理事長
      流通経済大学 教授

 
四方八方を海に囲まれた日本。
そんな島国にもかかわらず、まだまだ馴染みのうすい「ライフセービング」の世界。
その国内初の指導者として、先駆的な活動を続けていらっしゃる小峯先生は、
かつて水難救助の現場で幼い尊い命を救うことができなかった辛く苦い体験を経て
「ライフセービング」の普及と指導者の育成はもちろんのこと、
現在では、「自分の身は自分で守る」という「セルフレスキュー」の教育の輪を全国に広げる運動をおこなっていらっしゃいます。
 
なにより、豊富な経験に裏付けられた説得力のあるお話は、
ほかならぬ近い将来に社会へ巣立っていくことになる三年生たちにとって
たいへん有意義で刺激に満ちたメッセージとなって胸に響いたことでありましょう。
 
印象的なお言葉から・・・
 
◆「人のために尽くした一生ほど美しいものはない」
…これは司馬遼太郎さんのお言葉なんです。
 「ライフセービング」は、その名の通り、人のため、その人の「生命」を救うための仕事なのです。
 
◆「勝つことは、生かすこと」
…「ライフセービング」の大会や某テレビ番組でも取り上げられた
 「ビーチフラッグス」のレースなどがありますが、
 それらはすべていち早く遭難者の苦しみを取り除くために
 その現場へ駆けつけるためのものなのです。
 したがって、勝利することは、そのまま人の命を生かすことに
 つながっているのです。
 
◆「海を知ることは、相手を知ること」
…たたかいの現場において、ただ力任せに突き進んでも勝てません。
 たとえば、離岸流のような潮の流れをしっかりと見定めてから行動するといった
 状況判断の能力はとても重要です。
 
◆「『大丈夫か?』ではなく『大丈夫だ!』」
…遭難者のもとへ駆けつけた時に必要な声かけはなんでしょうか。
 まず、相手の不安感を払拭してあげて、安心を与えてあげることが
 なによりです。
 「わたしがきたからには、もう大丈夫ですよ!」
 
◆「2分に1人、水の犠牲者」
…年間30万人とも言われる水難犠牲者。
 国内の多くが風呂での事故なのです。
 もちろん、このことは進みゆく高齢化社会と無縁ではありません。
 
◆「生きていくためのエネルギー、ATP」
…ATPとは、アデノシン三リン酸 (C10H16N5O13P3   )のこと。
 その生成には、少なくとも酸素とグルコースが不可欠です。
 心肺停止状態が4分続くと、このATP生成がストップし、
 脳機能への影響が深刻化します。
 したがって、気道確保に始まる心臓圧迫(30回×X回)といった
 応急処置がいかに大切かということになるのです。
 
◆「人が倒れていたら、あなたはどうする?」
…日本の小学生は、「大人を呼びに行く」と答えるものがほとんどです。
 それに対して、イギリスでは「エアウェイ!(気道確保)」なのです。
 
◆「愛されたいのなら、愛しなさい。
  与えられたいのなら、与えなさい」
…かつて、あるイベント会場で実際にあった出来事です。
 突然41歳の父親が人混みの中で倒れてしまいます。
 たまたま近くにいた医学部の大学生たち4名が
 適切な応急処置を施したことで、
 その方は奇跡的にも一命を取り留め、
 二ヶ月後には社会復帰までも果たしたという事例です。
 実は、この学生たち、最初はそのまま現場を立ち去ろうとしたそうです。
 しかし、医学を志すものとして
 苦しんでいる人を見捨てられないという使命から
 とって返したとのことでした。
 
 41歳の父親には妻子をはじめとする家族がいて、
 会社には同僚がいて・・・
 一人の人の生命を救うということは、
 その人からつながる多くの人の生命をも救うことになるのです。
 
 こうして、人と人とが支え合う社会を築いていきたいものです。

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