さて、今日七夕イヴの「七月六日」は、いったい何の記念日でしょうか?
これはさすがに、生徒諸君よりも、お父さんお母さんの方がお分かりになりますね。(笑)
「この味がいいね」と君が言ったから・・・
もうお分かりになりましたか?
そうです。
・・・七月六日はサラダ記念日
でした!
ちょうど、図書館で過ごす中学1年生の「読書の時間」。
そういえば、今日はたしか・・・と、にわかに思い出し、
なつかしさも手伝って、書棚に走り
思わず引っ張り出してきたのでした。
『サラダ記念日』 俵万智 (河出書房新社 1987年刊)
それにしても、すでに20年以上の歳月が流れてしまっていたとは!
当時、24歳だった作者がその「あとがき」をこんな風に綴っています。
・・・なんてことない二十四歳。なんてことない俵万智。
なんてことない毎日のなかから、一首でもいい歌をつくっていきたい。
それはすなわち、一生懸命生きていきたいということだ。
生きることがうたうことだから。うたうことが生きることだから。
・ 砂浜のランチついに手つかずの卵サンドが気になっている
・ 沈黙ののちの言葉を選びおる君のためらいを楽しんでおり
…恋する乙女が、恋すること以上に冷めた目をもって三十一文字を楽しんでおるようでこわかったな!
・ ごめんねと友に言うごと向きおれば湯のみの中を父は見ており
・ 電話から少し離れてお茶を飲む聞いてないよというように飲む
…今は、すっかり「携帯」に、「メール」の時代となりました。その「携帯メール」、まさか「見てないよというように見る」わけにもいきません。(笑)
・ 待つことの始まり示す色をして今日も直立不動のポスト
・ 書き終えて切手を貼ればたちまちに返事を待って時流れ出す
…当時の女性は勿論、男性もまた実に我慢強かった。待って待って・・・待ちぼうけ・・・なんてことも。(笑) それに比べ、今は「メール」でいつも「ファストフード」なおつきあい、ですね!
・ トロウという字を尋ねれば「セイトのト、クロウのロウ」とわけなく言えり
…そういえば、作者は県立高校の先生でもありました。
・ 思い出はミックスベジタブルのよう、けれど解凍してはいけない
…冷凍食品がスーパーなどに多く出回り始めたころのこと。
・ 物語始まっている途中下車前途無効の切符を持って
…今は、こんなロマンとシビアな空気の交錯する「切符」にかわり、いつでもどこでも途中下車できる「カード」へ。(笑)
・ 忘れたいことばっかりの春だからひねもすサザンオールスターズ
・ 玉ネギをいためて待とう君からの電話ほどよく甘み出るまで
・ 母からの長距離電話青じそとトマトの育ち具合を話す
…これらの歌にはもうじき「注」が必要となるでしょう。(笑) 「サザン」とは・・・ 「(長距離)電話」とは・・・とね。
ということで、
そろそろ、久我山から「第二の俵万智」なる現代歌人が現れますかな?