まるでこの日を待っていたかのように南庭の梅も花開き、早春の日差しとともに、晴れの門出をどこまでもあたたかく祝福していました。
平成26年度 高等学校 第六十六回 卒業式
卒業生総数 548名(中高一貫生364名)
まずは卒業生を代表してN.O君が卒業証書を受け取りました。
その後も厳粛なうちに各種の表彰がつづくなか、
中高六ヵ年を一日も欠席することなく皆勤したH.Zさんに、
賞状が手渡されるその瞬間…。
「ご家族やお母さんに感謝しなさい」
マイクが拾い上げた学校長の静かな語りかけに、会場が一瞬和んだのでした。
◇学校長 式辞 より
…創立70周年の記念すべき年に、全国大会に出場した3クラブをはじめとして、卒業生のみなさんには大いに花を添える活躍をみせていただきました。
さて、思い返せば、みなさんは入学の時点で、将来世のため人のために貢献できる人となれるよう努力することを約して高校生活をスタートさせました。そして、今後はグローバルな社会での活躍が求められています。ここにいうグローバリゼーションとは、単に外国語が堪能であるといったことだけを意味するのではありません。まずは、自分のアイデンティティを確立せねばなりません。そのうえで、異文化への理解も忘れてはなりません。そうした真のグローバリゼーションを実現するために不可欠な思いやりや感謝の心については、この「久我山」で日々育んできたもののはずです。また、あわせてこの国の伝統文化にも折に触れて体験・実習する機会を重ねてきました。そうしたみなさんであればこそ、この国の行く末と明るい未来を託すことができると確信しています。
最後に、あいさつにはじまるところの第一印象である外見も内面とともに大切にしてほしいと思います。そしてもうひとつ、五分前の精神に通じるところの時間を守ることも心がけとして忘れないようにしてください。
なお、この先迷いが生じたり困った事態に遭遇することもあるでしょう。そんなときはこの「久我山」がみなさんにとって「心の寄り所 身の寄り所」としていついつまでも母校としてありますので、遠慮なくたずねてきてください。…
その後、在校生総代のY.M君が常にあこがれとしてあった先輩へ感謝と励ましの『送辞』をおくれば、卒業生総代のM.Y君が『答辞』として「ありのままの思い」を心をこめて……
…たくさんの思い出において友人の存在を欠かすことはできません。ドイツの詩人シラー曰く「友情は喜びを二倍にし悲しみを半分にする」と。まさにこの言葉の通り、友人たちのお蔭で思い出は光り輝いています。
また、先生方には教科書に載っていないこともまた多く教えていただきました。
さらに、今日まで気持ちを直接伝えることのできなかった両親にあらためて感謝を述べたいと思います。
私たちの母校がこの国学院久我山であることは一生かわりません。この学園で学んだことを生かしそれぞれの夢へ向かって進んでいくことを今ここに誓います。
……力強く別れの決意を述べてくれました。
巣立ちゆく
第六十六期生の前途に
幸多かれと祈ります
お元気で