本日から、父母会(面談)が始まりました。
それに合わせて配布された中学1年男子の
『学年通信 《independence》 』は、
先日行われた信州高遠での『自然体験教室』特集。
その裏面には、過日の「道徳」の時間に
あの4日間をふりかえって生徒たちが寄せた率直な声が掲載されていました。
その最後は、
「自然体験教室を終えて、これからの目標は?」
という質問に対しての次のようなコメントでした。
「自分よりもまず全体。
それが済んでから、自分のことを存分に。」
この出来過ぎなくらいの「目標」を目の当たりにしたとき、
最近読んだある一冊の本を思い出しました。
それは、ほかならぬ本校卒業生で
元大リーガー、現在もロッテマリーンズの大黒柱として
大活躍中の現役プロ野球選手、
井口資仁選手の著した
『井口の法則 メジャーリーガーの野球技術』
(2008年8月15日初版発行 MCプレス)
という本でした。
もっとも、この本の大半は、
そのサブタイトルにもあるように、
貴重な大リーグ経験をふまえた
守備・打撃・走塁のすべてにわたる野球の具体的な技術をひもといた一冊ではありますが、
ところどころに、彼の真摯な「野球観」が顔をのぞかせており、実に興味深い内容でした。。
そのなかから印象に残った一節をいくつかご紹介いたしましょう。
●すべてはチームの勝利のために。これは、僕の野球選手としての信条です。
●(チームの勝利や試合の状況などをまったく無視してすべての打席で本塁打を狙い続ければ1シーズンで30本塁打を放つ自信はあります。がしかし・・・)
僕はヒットを打つことよりも、「勝つ」ことが好きなのです。
●これまでも、子供病院や施設などを何度か訪問したことがありますが、本当に嬉しそうな顔で感謝されるたびに、「彼らに勇気や力を与えられているんだ」と実感しています。自惚れではなく、僕らはそういう存在なのだと自覚すべきでしょう。
●プロ野球選手は、どういう存在であるべきか? 僕らは「大金を稼ぐ」とか「野球が上手い」という部分だけで、子供たちの憧れになってはいけないのだと思います。
●勝利にこだわった時、チーム内には役割分担が生まれます。そして、各選手がその役割が全うできた時にチームは力を発揮し勝利を得ます。決して四番バッターばかりが集まれば強いというわけではありません。
●僕は常に「所属するチーム内での自分の役割は何か」ということを意識していますし、その役割を果たそうと考えています。
●そのプレーが決勝点につながった時、大ホームランを放った時とはまた違った充実感を得ることができます。
●僕は一人でも多くのプレイヤーに、「チームの勝利に貢献することの楽しさ」を感じ取って欲しいのです。
●たとえ自分がスーパースターにはなれなくても、自らの役割を知り、それが周囲に役立つと感じた時の充足感・・・それを知ることは野球人としてだけではなく、人間を豊かにしてくれるとも思います。