稽古とは
一より習ひ 十を知り
十よりかへる もとのその一
千利休『利休百首』より
今朝から、男子部伝統の早朝「寒稽古」が始まりました。
※【動画】は こちら (約90秒)
稽古というものは、初めて習ったときと十の段階からふたたびもとに戻った時とでは、その人の心もちがまったく変わっているものである、と茶の道のかの先人は言い残しています。
自分自身で限界を定め「これでよし」と習うことをやめてしまえば、進歩はそこで止まってしまい、その真髄に到達することも真意をつかむこともできません。そういう人にとっては、何事をするにしても「つらい」だとか「つまらない」といった感情ばかりが残り、本当に「楽しい」と思える境地を得ることはできないのでありましょう。
また、この言葉は、基本、基礎である「一」の段階がいかに大切であるかを示してもいるようです。
ここにいう基本、基礎とは、決してむずかしいことを意味するのではなく、あたりまえのことをあたりまえにできることなのですが、実際にはその実践ほど難しいことはありません。
~ 「柔道」の会場にて ~