女子部の中学生を対象とした特別授業シリーズ、「働くということ」。
本日は、中学3年生を対象に、進路ガイダンスも兼ねて外部講師をお招きして実施されました。
◆資生堂 理系進路支援プログラム
…文理選択前に、理系の進路の先にある「理系の働き方」のイメージを具体的に持つこと。
身近に学んでいる環境問題を切り口にしながら、企業の環境問題への取り組みを紹介。
その中で研究職がどのように取り組んでいるかを知ることで、研究職の仕事に触れる。…
● 「資生堂」はどんな会社?
「至哉坤元 万物資生」(いたれるかな ばんぶつとりてしょうず)
社名の由来は、この『易経』の一節からとられたもの。その意味するところは、「大地のあらゆるものを融合し、新たな価値を創造する」。
また、「一瞬も一生も美しく」を常にモットーとしてわたしたちは商品開発をおこなっています。
● 「文化」を知らずして「商品」は作れず
世界に目を向けたとき、たとえば「洗顔するか」「どんな香りを好むか」「化粧をするか」「髪の毛は整えるか」といったことは、それぞれの国や地域によってまちまち。
そうした独自の生活習慣をふくめた「文化」の違いを理解することがとても大切です。
あわせて、そのためにも、英語をはじめとした語学力を磨いておかねばなりません。
● 機能性・感性・安全性
商品開発をするうえで最も重視しているポイントは、3つあります。それは「機能性」と「感性」、そして「安全性」です。
なかでも今、「安全性」に関しては、単に消費者の人体にかかわる「安全」にとどまらず、製品の製造から廃品にいたるまでの過程における「(地球)環境」への配慮という「安全」性にも気を配らねばなりません。
…… そこで、資生堂が実際に取り組んでいる
「アースケアプロジェクト」の一端にふれるワークショップが展開されました。
生徒たちに提示された課題は次のようなミッションでした。
はたして、研究者の卵たちの「感性」は、どんな「商品」を開発してくれたでしょうか。
★〈研究・開発者ミニ体験ワーク〉
ある日、研究所にこんな仕事の依頼が来ました・・・
Mission CO2排出量の少ないシャンプーを作りたい。
とくに、問題じゃないかと思っているのは容器。
いまの容器はプラスチックです。
環境にやさしい容器を作ることはできませんか?
*「竹製の容器はいかがでしょうか」
*「シャンプーをジェル状にして、同時に専用ブラシの先端からペンのように出てくるというのは」
その後、資生堂としては、「石油」に代わるものとして「サトウキビ」による「プラ容器」を開発したことが紹介されました。
その植物性容器は、プラスチック1kgあたりのCO2排出量が石油の場合45kgなのに対し、わずか1.35kgしかないとのこと。
くわえて、石油は再利用がきかない資源であるのに対して、サトウキビは「カーボンニュートラル」として、循環型資源として環境にやさしいことも紹介されました。
つづいて、お二人の研究員の方々から、 「働く」ということ について、ご自身の中高時代を振り返りつつ貴重なアドバイスが・・・。
● 「お客様にとって、どんなメリットがあるのかを考えながら仕事をしています。」
● 「自分の開発した商品がお客様の手に届いて、喜びの声が聞かれたときはなによりうれしいですね。」
● 「研究の過程で思い通りにいかないこともありますが、そうした失敗には研究の『ネタ』がたくさんつまっています。」
● 「前例は必ずしも『善例』ではありません。時代によって変化しますし、ひとによっても評価は違いますから。」
● 「なにより、『今』を大切にしてほしいと思います。」
「『挑!』 何事にもチャレンジを!」
● 「部活動を一生懸命頑張って欲しいと思います。」
「『試!』 試行錯誤の連続です!」
~ Q&A より ~
Q:試行してもうまくいかないときは?
A:まずは、自分自身で考えてみること。その上で経験豊富な先輩や上司に相談するようにしています。また、最初から「ダメだ」とか「無理です」とはいわず、代替案を提示するように心がけています。
Q:新たな開発の陰で、古いことを大切にしている部分は?
A:昔のことや先人のなしえたことは、宝の山です。ですから、今日までにたどってきた過去への視点は新たな開発の大きなヒントとなることが多いと思います。