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働くことの意義、楽しさ、厳しさ@5/30女子部中学2年特別授業.

投稿日2014/6/5

 
女子部オリジナルのシリーズ『働くということ』
その学習活動の第一歩としての特別授業が、中学2年生を対象に行われました。
 
このたびの講師は、高坂節三(こうさかせつぞう)先生
長く外資系企業にて要職を務め、その後も別会社の代表取締役をはじめ、大学の客員教授や経済同友会幹事などを歴任、現在は、公益財団法人「日本漢字能力検定協会」代表理事とユネスコ・アジア文化センター理事を兼務していらっしゃいます。
 
こうした、長きにわたる国の内外での貴重な職業経験とそこから得られた人生訓を、終始、先生のお人柄がうかがわれるところの温かみあふれるやさしい語り口でお話しくださいました。
 
以下、印象に残ったお言葉から…
 
●今、みなさんのような中学生というモラトリアムな時期に、なぜ人は働くのかを問うことはとても意義があります。
●「一日不作、一日不食」(一日なさざれば一日食はず)といわれます。このときの「作す(なす)」とはまさに「働く」ことを意味します。
●「人は人のために尽くすために生まれてきたのです」とは、あの宮澤賢治の母の言葉です。
●仕事は世の中に「やらせてもらっている」のです。ただし、心の準備と知識がなければそう簡単にはやらせてもらえません。
●仕事とは退屈なことの繰り返しです。スーパーのレジ打ちであっても、お客様の顔を見て笑顔で接するなどの心のこもった対応は必ずお客様に通じるものです。
●多くの人との交流を通じて理解しあい助け合うことも必要ですが、とりわけ同窓の友を大切にしなさい。
●「真の栄光は、黙々と克己に努めてこそ与えられる」とは、スマイルズ(『自助論』)の言葉です。
●実際に働いてみると、人に仕えることの厳しさや人からの評価に無念さを覚えたり、いよいよのところで左遷の憂き目に遭うかもしれません。しかし、どんなことがあっても、あきらめずに乗り越えることです。
●売り手よし、買い手よし。これだけではいけません。世間よし、すなわち社会にとってもよいものであることを加えて「三方よし」を求めなさい。
●国も個人も単独では生きていくことはできません。そこで、互いのアシストが重要となってきます。
●人は、「不公平」や「苦悩」、そして「逆境」によって育まれるものです。
 
…加えて、司馬遼太郎の『二十一世紀に生きる君たちへ』から共感する箇所をご紹介くださいました…
 
■私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。未来というものである。
■自然こそ不変の価値なのである。
■「人間こそ、いちばんえらい存在だ」という、思いあがった考えが頭をもたげた。二十世紀という現代は、ある意味では、自然へのおそれがうすくなった時代といっていい。
■「人間は、自分で生きているのではなく、大きな存在によって生かされている。」
■「自分に厳しく、相手にはやさしく」という自己を。そして、素直でかしこい自己を。
 ※この最後の「自己」実現にむけて、不可欠なのは「七・三の理」であるとのこと。つまり、自分の主張は三割にとどめ、相手の主張を七割受け止めることから始めるのがちょうどいいとのことでした。
 
…講演後の質疑応答より…
 
Q 私は自分のためにやっていれば他人のためにもなると思うのですが…
A 確かに最初から他人のためと考えなくてもいいと思います。ただし、他人のマイナスになると思われることはしてはなりません。
 
Q 学生時代に思い描いていた自分になれましたか?
A 敗戦を経験し、いったいアメリカってどんな国なんだろうと思っていた私が、その後、病気になったことがきっかけで南米にわたり、日系人の苦労を目の当たりにする貴重な経験をしたり、その後も仕事を通じ八十カ国もの国々を巡っていろいろな世界を知ることができました。すべてはあの敗戦や病気といった思いがけない人生の苦い経験が、外国に行きたいという若い頃の夢を実現するもとになったように思います。
 
Q 「働く」ということにおいて大切なことを三つあげるとしたら?
A まずは、健康でしょうか。ついで常識、それも健全な常識でなければなりません。そして最後にどんな相手とも話し合えるコミュニケーション能力をあげたいと思います。インフォメーションはあくまで一方通行なものに過ぎません。

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