手元に一本のカセットテープがあります。
CDでもMDでもないそれは、今やほとんど見かけることのなくなったプラケースに入った名刺大のあのテープです。
そのケースには、同時に一枚の写真が挟み込まれていました。
もうかれこれ20数年前にさかのぼります。
当時、女子部(高校)で「創作ダンス発表会」と並んで恒例の行事となっていた〈合唱コンクール〉。
見事、最優秀の栄誉に輝いたそのクラスで記念に作ったテープでした。
自由曲を決める段にあって、本格的なア・カペラの曲でいくか、おなじみのはやり歌でいくか、クラスが真っ二つに分かれてしまい、ギリギリまで話し合いがつづきました。
結局、〈合唱コン〉に恥じない発表をということで、難しい無伴奏の合唱曲に挑戦。
そうした末にいただいた賞だっただけに、クラスみんなの喜びもひとしお、涙の受賞と相成りました。
そんな彼女たちも、はや四十歳目前。
今では母として、キャリアウーマンとして、それぞれにひとりの女性として立派にがんばっていることでしょう。
たまたま、先日、あのとき指揮者をつとめたOさんの近況を知る機会がありました。
きけば、お子さんの通われている学校で、同じように合唱会があったとのこと。
そこには、もうじっとしていられない「お母さん」がいたようです。(笑)
さて、このほど、女子部の中学で、こうしたみんなの歌声をつうじて心をひとつにする行事が復活することになりました。
平成25年度 〈中学女子クラス合唱会〉
日時 11月21日(木) 14:00開演 (16:10終演予定)
場所 本校 第一体育館
今年は、その第1回ということで一般公開はいたしませんが、在校生のご家族のみなさまに限り、観覧をご希望の方はその旨クラス担任までお申し出ください。
なお、学年共通の曲は、一年生が『久我山中学校の歌』、二年生が自然体験教室の尾瀬にまつわる『夏の思い出』、そして三年生が本校創立四十五周年を記念して制定された女子部の歌、『それぞれの季節』を歌い上げることになっています。
本番の舞台もさることながら、そこにいたるまでの過程でどんなドラマが繰り広げられることでありましょうか。
それが、すべてひとつの「うたごえ」となって会場いっぱいに響き渡るのが今から楽しみでなりません。
左:『久我山中学校の歌』発表会(昭和63年3月)
右:『それぞれの季節』発表会(平成元年10月)