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初冬雑感 : 富士の高嶺に.

投稿日2013/11/13


 
今朝方、理科会館の屋上から、新雪を身にまとった秀峰「富士」の雄姿が指呼のうちに望まれました。 
砂走りに代表されるような、富士特有の深くえぐられた山襞を綺麗に化粧してのお色直しです。 
ふと、言わずと知れたあの名歌が浮かびました。
 
   田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
     富士の高嶺に 雪は降りつつ
 
ご存じ『小倉百人一首』に収められた第四番歌です。
「雪が今まさに降りつづけているよ」と結ぶこの歌は、実景ならば雪雲に包まれて決してその姿を直に拝むことのできないはずの富士を、想像上の絵画的な情景として歌い上げています。
 

一方、この元は『万葉集』の山部赤人によるこちらの歌になります。
 
   田子の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ
    富士の高嶺に 雪は降りける
 
こちらは、先の歌とは対照的に、「降りける」として、目の前に広がる景色そのものをありのままに歌にしています。
今朝、いちだんと寒さが厳しく感じられるなか、張り詰めた空気と見上げる青天の清々しさに、その期待も一気に膨らんで、気づけば理科会館の外階段を駆けがっていました。
そうして、目に飛び込んできたのがこの「真白」な「富士」の姿でした。
それと同時に、その昔、同じような厳寒の朝に、よくよく見通せる駿河の海岸へおそらく駆けだしたであろう一人の万葉歌人の姿も浮かんできたのでした。(笑)
 

    ~八ヶ岳・蓼科山・南アルプス~
 

こころなしか、みな少しずつ登校時間が遅くなってきたように思われます。
たしかに寝床から出るのが億劫でつらい季節です。
しかし、「早起きは三文の得」とも。
こうした朝にしか出会うことのできない景観が広がっていますよ。
 

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