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10/28 女子部高校1年特別授業「続・働くということ~進路を考える~」.

投稿日2013/10/29

  
 
   「続・働くということ ~進路を考える~」

     ―社会力の偏差値という視点―
  
   古市 耕太郎 (ふるいち こうたろう) 先生 (燦ホールディングス株式会社 代表取締役社長)
     1987年、明治学院大学卒業後、アメリカンファミリー生命保険会社(AFLAC)入社。
     99年、勤務しながら慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)。
     同社のインターネット通販事業を立ち上げる。
     平成12年5月、同社グループ会社アフラックダイレクトドットコム
     (現アフラック保険サービス)常務取締役兼COO。
     2004年2月AIG(株)入社。顧客戦略本部マーケティング部長を経て、
     2005年3月燦ホールディングス株式会社入社(常務顧問)。
     2009年4月代表取締役社長に就任。著作に『グリーフケア』(毎日新聞社刊)がある。
 
     ※燦ホールディングス
       1932年創業の大阪市中央区に本社を置く葬祭サービス業。
       1945年、「株式会社公益社」に改称。
       2004年、持株会社に移行し現在の社名に変更。
       傘下に葬儀社・運送会社などを置く。
       首都圏や関西圏を中心に展開する葬儀請負でトップクラスの企業。
 
 
このたびの「特別授業」は、さかのぼること中学2年時の「働くということ」、「人はなぜ働くの?」「社会の仕組みを知ろう。そして今やるべきことは?」につづいての第二弾、「(自分の)進路を考える」授業。
高校1年生にとって、今は次年度の文理コース選択をはじめ、その先の進むべき道を考える上でとても重要な時期にあたります。そうした意味からも、みな迷える小羊のような存在。
そんな彼女たちに、紆余曲折の人生経験豊富な先生の説得力あふれるお話は、たくさんの刺激と勇気を与えたようでした。
 
  …失礼を顧みず、講話の終盤にお邪魔して拝聴させていただきました。
   以下はそのお話の概要と「質疑応答」の様子です…
 
 
● 社会人は演じる役者さん?
…社会人として生きていくということは、公人としてふるまうことであって、プライベートな自分、つまり私人をカバーして演じ切ることでもあります。とかく人間として表裏があるようにいわれる二面性の存在は、社会人としては決して悪いことでなく、かえってどれだけ公私の使い分けができるかが大事なポイントになるのです。身近なところでは、みなさんのお母さんだって、かかってきた電話の応対をみればそうであるように、声色を見事に変えていますでしょ。(笑)
 
● 社会で評価される人、されない人
…いまお話した公私の使い分けがきちんとできている人とそうでない人とでは、世間の評価は明らかに二分されます。世の中が求めてやまない「かわいい」女優さんが、プロダクションの作り上げた像にがまんできず、生の自分をさらけ出してしまった結果として、一気にイメージダウンと人気を落としてしまった例もありますね。またそれとは反対に、さわやかなイメージをそのままにプレーしつづけるスポーツ選手が、人気を不動のものにしているケースもあります。実際には、その選手のプライベートまでさわやかであるかどうかはわかりませんよね。(笑)
 
● 仕事の楽しさ
…仕事というものも、「職業」ととらえれば、「生計を維持する」ことになります。しかし、願わくばそれだけのためではなく、仕事の楽しさを追い求めていくことが大切なのだと思います。そのためには、まず、自分の好きなこと、得意なことに関わることがなによりですね。そして、思いや考え方がマッチする人と一緒に仕事ができる環境が望ましいでしょう。当然そうした環境は心地よく、あわせて仕事の成果が正当に評価され、それに見合って報酬も向上する職場であればこの上ありません。
 
● 将来を見通す眼力
…わたしが大学を出るころと今とでは、社会の在り様は大きく変わりました。ですから、当時、学生たちに人気を博していた企業が今もその地位を維持しているとは限りません。その意味からも、将来を見通す力が求められるのです。とはいえ、まず優先すべきは、自分自身を知ることです。そのうえでいろいろな仕事のあることを知り、その中から興味のもてる職場を探すようにしたいものです。また、できれば、その職場で働いている人に直接会って話を聞くことも役立つでしょう。
 
● 気づきを求めて
…自白すると、わたしは40歳になってようやく「社会とはなにか」ということに気づいたのです。また、その時になって、はじめて社会力や人間性の大切さにも目が向きました。それまでの自分は、仕事をしても、業績という数字の世界ばかりで生きてきたのです。そうした気づきを経てのち、社会で生きることが上手くなり、同時に毎日が楽しいものとなってきました。
ただ、こうしたことに気づかずに歳を重ねている大人がたいへん多いというのも現実なんですよ。
 
 
~ 《質疑応答》 より ~
 
Q …1年〇組の〇〇です。本日は、貴重なお話をありがとうございました。それでは、質問させていただきます。…
  先生の趣味はなんですか?

A (コメントの前に)実にパーフェクトな態度でした!まず自己紹介から入って、次にお礼を述べた後で、最後に質問に至るというたいへん礼儀正しい完璧な展開でした。もうすぐに社会に出て行ってもはずかしくありませんね!
 
公人として仕事を終え、スイッチをオフにしたとき、次の仕事のためにも自分に栄養を与える必要があります。それは、疲れた自分を癒してくれるものなのです。それが趣味をもつということの大切さなのですが、私の場合はゴルフやジャズ鑑賞などがそれにあたります。ともに趣味を同じくする人との出会いがあるというのも楽しみのひとつですが。
  
Q あえて葬儀屋さんに再就職したのはなぜですか?
A 40歳あたりまでは「野心」で生きてきたように思います。しかし、不思議なことにそのころから、世のため人のために働きたい、すなわち社会貢献への意欲がわいてきたのです。そう思う中で、人の死について強く意識するようになりました。それはたしかに宗教的な感覚と切り離せないものではあるのですが、人は誰しも死を意識した時にはじめて前向きに生きられると思うのです。それがこうした業種に目をひらかせたきっかけといえるかもしれません。
 
Q 多面性をもった自分でよいのでしょうか?
A もちろんです。ただし、大事なことは、そんないくつもの顔をもつ自分をコントロールすることができるかどうかなのです。この「セルフ・マネージメント」こそが要です。芸能人はマネージャーがそれを肩代わりしてくれます。しかし、多くの人は自分自身でやらねばならないのです。
 
Q 周囲が演じている人間ばかりというのは怖くないですか?
A その通りで、人の本心が見えないからこそ、社会で生きていくことはむずかしいといえましょう。でも、逆にいえば、演ずることなく「本当の自分」をさらけ出せる人とどれだけ出会えるかというのも生きていくことの楽しみであり喜びでもあるのです。そんな恋人や旦那さん、さらには家庭を築くことができたらなによりですね。
 
  最後に…私が極力気をつけていることは…
 
        人の悪口を言わないこと、
        噂話を信じないこと、
        そして、マイナスな言葉を口にしないことです。

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