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一学期 終業。 「読感の夏」来たり。.

投稿日2007/7/20

本日をもって、無事第一学期が終了しました。
なにより通知表の中身が気がかりなのは誰とて当然のこと。教室内はどこもそわそわ落ち着かない雰囲気に包まれています。

そうした中、終業式に先立って、高校では全学年対象に恒例の《読書感想文コンクール》の課題図書が紹介されました。
すると、さすが知的好奇心旺盛な生徒のみなさん、いっせいに落ち着きを取り戻し、モニターに集中です。(笑)
今年は、全学年共通で、評論4冊、体験記1冊、小説4冊の計9冊が選定されています。

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評論
 ○ 『日本という国』 小熊 英二
 ○ 『悪魔のささやき』 加賀 乙彦
 ○ 『格差社会』 橘木 俊詔
 ○ 『進化しすぎた脳』 池谷 祐二

体験記
 ○ 『食う 寝る 座る ~永平寺修行記~』 野々村 馨

小説
 ○ 『手紙』 東野 圭吾
 ○ 『阿修羅のごとく』 向田 邦子
 ○ 『あかね空』 山本 一力
 ○ 『わたしのなかのあなた』 ジョディ・ピコ

こうして、課題となった本を並べてみると、選定にあたった先生方のテーマがおのずと浮き彫りにされてくるようです。
まず、評論の方は伝統的に外に向きがちなこの国の人々の意識を内に向け返す「ゆりもどし」の世相を反映してか、「日本を、この国を考える」といったテーマのようです。
そして、世相を反映していることでは同じですが、小説は、どれも「家族や人と人との絆・つながりを考えさせられる」ものが並んでいます。

ところで、中でも「格差社会」は今の時代をうつすキーワードとなって久しいものですが、最近ある本を読んで目からうろこの一節に出会いました。
それは、『14歳からの哲学』などの著書を残して急逝された哲学者、池田晶子の『暮らしの哲学』(毎日新聞社)の中の一節でした。

 「・・・セレブな人々が羨ましいといって、その何が羨ましいのか。一度反省してみると、これはあんがいすっきりしますね。だって、挙げてみたって、せいぜいが豪華な車や豪華な家、その他もろもろ、つまりせいぜいが豪華な生活じゃないですか。たかがそんなものじゃないですか。そんなもの、どうだっていいと私は感じる。いま普通に生活できているんだから。・・・(中略)・・・『あの人の方がいい』。だとしたら、『格差』というのは、ひょっとしたら、外にあるものではなくて、内にあるもの、その人の心の中にあるものではないか。比較する心そのものなのではないか。・・・」(「たまたま」のこの人生 より引用)

この池田さんの言を借りれば、「格差社会」を生み出し、ますますその傾向を助長しているのは、結局わたしたち人間の「心のありよう」ということになってきます。
 

そう思ったら、この「夏休み」という代物もまた、「心のありよう」次第でその価値が変わってくるものだと気づきました。
「友だちはいいなあ、あんなところに遊びに行けて・・・。旅行に行けて・・・。部活で青春して・・・etc それに比べて僕は私は・・・」
こうした自らをその「格差社会」の只中に追い込む思考からまずは自分自身を解き放っていくことが、「夏休み」を充実させるポイントであるようです。

さあ、夏40日。
君の、君による、君だけの、そして君らしい「夏休み」を存分に送ってください。

追伸  受験生のみなさんへ

 
    「夏を制するものは入試を制す」といわれます。
    弱点克服、集中講座、どれも夏休みだからできる取り組みです。
    でも、勉強に疲れたときこそ、君たちの頭を脳を、そして心を
    なにより癒してくれるもの、それは一冊の「本」なのです。
    いつも、かたわらに「本」を。
    そんな君を久我山は応援しています。
    

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