平成25年度 シリーズ『働くということ』
女子部 中学2年
“働くということ”
~ 人は、なぜ働くの? ~
講師 株式会社 CAC
代表取締役会長
島田 俊夫 先生
いったい、人は何のために働くのでしょうか?
家族のため? お金のため? それとも・・・
そんな素朴な疑問に対するひとつのこたえを、
人生の「大先輩」からお聴きする貴重な機会です。
このたびの講師、島田先生からは
「目標をもって生きること」のすすめに加えて
「女性が働くこと」の大切さについてもお話していただきました。
□ 「違い」をつくり出すのが「仕事」である
私が皆さんと同じ中学生であったころは、まだないものが多かった時代でした。ですから、次々に新しいものが生み出されていき、そのうちそれを横並びで大量生産する時代へと変わっていったのでした。そうした時代の流れの末に、いま世の中にはモノがあふれ、工場でたくさん作ればそれだけ売れるということはなくなってしまいました。そうなると、これからは、大量生産ではなくモノの「違い」を創り出すことが大事になってきました。
□ 「違い」を生み出すのは「ヒト」である
こうして、かつてのように「機械」が主役であった時代から、確実にその座は「ヒト」にとってかろうとしています。「モノ」から「ヒト」へ。言い換えれば、今を生きている私たちが「時代」を創っていくことにほかなりません。
□ 好きなことを探そう
では、「ヒト」としてどんな取り組みをしたらいいのでしょうか。今は、とにかくいろいろなものごとに興味関心をもって、その中から自分の本当に好きなものを見つけ出すようにしましょう。ただここで注意しなければならないのは、あくまで「自分」がありたい「自分」を探すことであって、周りが求める「あなた」ではいけません。とはいえ、周囲のさまざまなアドバイスをはじめとする声に耳を傾けることは大切です。その上で、歩むべきは自らの足でなければならないのです。
□ 目標があるからこそ努力できる
さて、こうして自分の好きなことが見つかったら次にやるべきことはなんでしょうか。それは、好きなことを続ける努力しかありませんが、そう易々とつづくものではありません。そこで必要なのは「目標」を設けることです。人間誰しも、努力のために努力することはできません。しかし、ひとたび自分が定めた目標のためなら俄然やる気が出て努力を重ねることが苦ではなくなります。
□ 目標を持つことで、自分が変わる
このように、目標が定まると、たとえ努力を積み上げることが苦しくとも、不思議なことにその人の表情はとても生き生きとしたものに変わってきます。生活にハリが生まれ目の色や顔つきなど、誰が見てもそれとわかるほどにいい方向へ変化するのです。
□ 人口減少は避けられない
さて、女性が働くことの大切さについて話をしましょう。これからの日本は人口が減少していくことが確定しています。2010年に8127万人だった15歳から64歳までの労働人口も2055年には4930万人までに減ってしまうと見られているのです。そうした中で、働き手をどのように補充していくかという問題が持ち上がってくるわけです。もちろん、外国人や高齢者に働いてもらうということもありますが、女性にも仕事を続けてもらえるような仕組みをつくることが不可欠となってきているのです。
□ 世界の女性リーダーにつづけ
マーガレット・サッチャーをはじめ、国や企業のトップを女性がつとめている国はたくさんあります。しかし、日本はまだまだその域に達してはいません。意識として、女性が社長にあることや一国の首相をつとめることなど絶対に無理だなどと思ってはなりません。なぜなら、不可能なことなどこの世にはないのですから。
□ 可能性を閉ざすのは皆さんの心です
皆さんには無限の可能性があります。「私には無理・・・」そんなふうに思い込んでかけがえのない可能性や能力を閉ざしてはなりません。すべては自分自身の心の持ち方次第です。なにはともあれ、まずは自分の好きなことを見つけることからはじめてみましょう。
■ 質疑応答より
Q 働く中で発見したことはありますか?
A 終わりがないということですかね。もっとよいものがあるはず、そう思えば思うほど奥が深いですね。
Q 働く上でどの教科が役に立ちましたか?
A すべての教科かな。今は貴方が一番好きな科目に力を注げばいいと思います。
Q 社長の給料は誰が決めるのですか?(笑)
A 実は自分で決めるのではありません。外部の人が決めるのがほとんどです。
社長はお金のためではなく使命感ゆえに勤まるものだと思います。
Q 仕事をしていて大変なことに遭遇した時はどうしますか?
A 逃げたとしてもそこからは何も解決しません。やはり、どんなことにも立ち向かうことが大切です。