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「アロエが出てきました」.

投稿日2013/3/15

「16年間勤めた久我山での忘れられないエピソードがあります・・・」
 
今日の年度末最後の学科会でのこと。
長年にわたり本校で教鞭を執られたある講師の先生が退職のあいさつに立ちました。
 
「・・・その先生は、当時のわたしにとってはまさに雲の上の存在で、他の教科ということもあってお話しする機会もなかなか持てずにいました。
そのうち、わたくしたち講師の集まる職員室に移られてから、しばらくしてのこと。そのころ校舎の出入口に忘れられたように置かれた鉢がいくつかありました。先生がその鉢に水やりをしています。
聞けばアロエを植えたのだとか。それからというもの、水やりが先生の日課となりました。
そして、数週間後、その鉢の中が緑色に染まっているではないですか。
『先生!アロエが出てきましたね!』
『ええ、アロエが出てきました。』
わたくしはそのとき、わがことのようにうれしくなって、担当していた女子クラスの生徒たちにその事を話して聞かせました。
すると、生徒たちもその鉢のまわりに集まってきては
『ワーーーッ、アロエが出てきた!!!』
と、口々に叫んでいます。
当時のわたくしは三十代。当の先生は六十代、そして生徒たちは十代ですから、三つの世代が一緒に、一つの鉢のアロエの姿に心を寄せたことになります。そのときあらためて『学校』ってところはいいなと強く感じたものでした。
あれから歳月が流れ、今はもうその先生も亡くなられてしまいましたが、かの国木田独歩風にいうならば、今でも先生はわたしにとって『忘れ得ぬ人々』のお一人であり続けています。」

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