相手の気持ちを尊重しつつ、その上で自分の思いも大切にする理想のコミュニケーション、「アサーション」。
11月の第1回特別授業につづき、今回はそうした「アサーション・テクニック」について体験学習しました。
講師は、前回同様、本校スクールカウンセラーの中島文先生。
実際の学校生活でおこりうる事象にもとづいたロールプレイを織り交ぜながらの授業展開でした。
★DESC(デスク)法
① D (Describe) 描写する
→自分の状況や相手の行動を客観的に思い描く。
できるだけ自分の思い込みは取り入れないようにする。
ポイント:主観や自分の気持ちは入れないこと!
② E (Empathize) 共感する ・ (Express) 表現する
→相手の立場に立って共感する。
自分の状況や相手の行動に対する自分の気持ちを表現する。
ポイント:落ち着いて、感情的にならないこと!
③ S (Suggest) 提案する
→解決策や妥協案を提案する。
提案には相手が常に賛成してくれるとは限らない事を覚悟する。
ポイント:相手を責めたり命令口調にならないこと!
④ C (Choose) 選択する
→相手の返答によって、自分のその後の行動を選択する。
ポイント:同意が得られない場合の心の準備もしておくこと!
ロールプレイの題材は、休み時間の雪合戦でのやりとり。
奇しくもタイムリーに今朝は小雪が舞って、グランドや前庭がうっすらと白くなりました。
思い切って、学びの場を教室からグランドに切り換えて合戦ならぬ実践を積んでもよかったかもしれません。(笑)
授業の最後に先生が加えた次のことばが印象的でした。
「アサーションを実践する上で、そのためのテクニックも重要ですが、それ以上に大切なことは、
『わかってもらいたい』、『わかってあげたい』というお互いの『思い』があるかどうかなのです。
確かに相手の思っていることを100%理解することは難しい事ですし、実際には出来ないでしょう。
しかし、少なくとも『共感』するために相手に『寄り添う』ようにするだけでも理解への一歩となるはずです。
たとえば、転んでしまった子どもに向けて『痛くないでしょ、痛くない痛くない、泣かないの!』といったところでなかなか泣き止むことはないでしょう。
それに対して、『痛いね~、それじゃ、痛いの痛いの、飛んでいけ~!』と応じてあげることで、子どもは自ら涙をぬぐうのです。」