期末試験も中日を迎えました。
凍てつく寒さにも負けず頑張る生徒たち。それに負けじと今日は教職員が一堂に会して勉強会を開きました。
テーマは、「思春期のこどものメンタルヘルス」。
大学でも教鞭を執っていらっしゃる精神科医と本校のスクールカウンセラーのお二人にお越しいただき、「うつ病」や「統合失調症」など、年齢を問わず見られる「心の病」についてお話を頂戴いたしました。
あっという間の100分の講義の中で、なにより繰り返し説かれたポイントは、どんな精神疾患であっても、それらは正真正銘「ふつうの病気」であるという認識の必要性でした。
以下、拝聴した管理人の所感を述べてその報告に代えさせていただきます。
昔からよく「病は気から」と言われてきました。万病のもととされる風邪から命にかかわる難病に至るまで、まずは患者自身が弱気にならず強い精神力を発動して闘うべしとの、心身バランスに基づく理にかなった訓えでした。
しかし、「心の病」はその「気(持ち)」が「病気」なのですからもういけません。放っておけば身体に変調をきたすことは火を見るよりも明らかなことと言えましょう。
ただ、その他の病気が、発熱や悪寒、腹痛、特定部位の違和感といった「自覚症状」から医療機関へというプロセスを辿るのと違い、「心の病」の場合は、その自覚がないままに深刻の度合いが増していってしまいます。
では、どうしたらこの「心の病」の重篤化を未然に防ぐことができるのでしょうか。
この点について、講師の先生はなにより「周囲の目」に如かずと明言されていました。
表情、集中力、食欲、行動等々、その微妙な変化を、身近な人々が見逃さずに気づいてあげることが肝要です。
さらに、その上でなすべきは、「説得」でも「指導」でもなく、同じ目線に立った、「共感」を前提とする「コミュニケーション」であるとのことでした。
また、先生は話の中で「心の病」にある患者を「休火山」に喩えていらっしゃいました。
奇しくも、今朝、西の空に屹立する真っ白な富士山を理科会館屋上から写真におさめていました。
その堂々たる端正な姿からは隠れた「涙」の存在など想像もつかぬところですが・・・。
しかし、実際には心ないハイカーたちが残していったゴミの山に涙しつつ、その怒りをいつの日にか爆発させんとしている孤高の悲哀をくれぐれも見逃さぬようにしたいものです。