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Steeple Chase.

投稿日2022/7/20


 
 今夏、四国徳島にて行われるインターハイ(全国高校総合体育大会)に出場することになった高校男子陸上競技部。
 その出場権を得た種目は「3000SC」。
 
 「SC」は「スティープル チェイス(Steeple Chase)」の略であり、いわゆる「障害物競走」のこと。
 「Steeple(教会の尖塔)」を「Chase(追う)」という競技名が示す通り、その昔、欧州にて各地の村の教会が大切なコミュニティーだった時代、ある村の教会を出発点とし、別のある村の教会をゴールとした競走をする際に、その村の境界にあった「柵」や「堀」を飛び越えて行ったことに由来するといわれています。

 そこに起源をもつ「3000SC」という陸上競技では、3000mを走る中、約80mごとに置かれた高さ91.4cmのハードルを28回、さらに水濠を7回も越えてゴールに辿り着かねばなりません。
 
 関東チャンピオンとなった本校の部員は、普通に走ってもキロ3分ペースを保つのですら大変なところを、実に9分08秒16の自己ベストで「全国」の切符を手中に収めました。

 
 
 さて、思えばこの「SC」競技における「ハードル」や「水濠」、すなわち「柵」や「堀」にあたるものは、必ずしも陸上選手だけのものではなく、私たちの誰しもが生活経験上、嫌が上にも実感しているもののように思われます。
 加えて、私たちの場合には、選手らのように最短で次々にそうした障壁を乗り越え、素早く駆け抜けることよりも、行手を阻まれ立ち止まり、思案してやや引き返しあらためて勢いをつけて乗り越える、といったことの方が現実的で自然な姿かもしれません。
 
 とはいえ、私たちもまた目に見えないゴール目指して走り続けることには違いありません。
 教会ごとに、神のご加護にすがることなく自分自身の力を信じて…。 
 

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