通学路に面したお宅の庭先にて、今年も独特な紅小花が日に日に存在感を増してきました。
例年、猛暑にあっても、決して色褪せることなく、その名の通り「百日」近く咲き続けるその強さ、たくましさにはただただ脱帽するばかりです。
その花言葉は「不用意」。
これまた花以上に目をひくツルツルとした幹が、まさに「猿も木から落ちる」がごとくあることからそう言われているとも。
「不用意」とは、「用意」のないこと。
その「用意」をひも解けば「心を用いる」こと、すなわちあらかじめ「心配り」や「気配り」をして事にあたることを意味します。
なるほど「用心」が類語であることも肯けます。
何事も、そうした事態になってから慌てるのではなく、事前に想像力を働かせて先を見通しつつ、さらに多くの知見を結集して、高を括ることなく「不用意」な展開に陥ることのないよう努めたいものです。
折からのコロナ禍はもちろん、同時にこれから見舞われるだろう集中豪雨に、熱波、さらにささやかれる大地震への備えと、心配事は尽きませんが、今こそこの「百日紅」の放つ警鐘に、あらためて真剣に耳を傾けるべきときのような気がいたします。