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「知恵」に学ばん 〜半夏生〜.

投稿日2020/7/1


  半夏生(ハンゲショウ)〔別名:片白草(カタシログサ)〕 2020.7.1  神代植物公園(水生植物園)にて 
  
 今日は、夏至から11日目の雑節、「半夏生」(はんげしょう)入りの日。
 これから試験明けの七夕までの間をさしてそう呼ばれます。
 
 この「半夏生」はその昔から、梅雨明けを告げる意味からも農作業にとって大切な目安となってきました。
 田植えもこの時期までに終わらせないと秋の収穫に響くともいわれ、今なお水田や神棚にお餅やお神酒を供え、田の神に感謝する「さなぶり」という神事を行なうところもあるほどです。
 また、関西では作物がタコ足のように大地にしっかり根付くようにとの願いをこめて、この期間にタコを食べたりする風習もあります。
 
 
 
 そして、ちょうどこの時期に変わった姿を披露する植物の存在も見逃せません。
 花が咲き揃うまでのわずかな期間だけ、葉の一部が白く変化する様子から「半化粧」とも呼ばれる「半夏生」。ドクダミ科の不思議なこの植物は、その特殊な様子から「片白草」(カタシログサ)とも呼ばれています。
 
 とはいえ、どこか不吉な雰囲気も否めないこの「半夏生」が群れる水辺の風景。
 そこで、昔の人はこの期間を「物忌み」として、働く手を一時休めたり、天から降り落ちる毒を防ぐために井戸にふたをしたり、この日に採取した野菜は食べぬようにしたり…。
 
 それもこれも、農耕民族であったこの国の先人らが、田植えで疲れた心身を休めるために編み出した「知恵」だともいわれています。
 
 いまだ出口の見えぬこのたびの新型コロナ禍にあって、何事も数値化され、その科学的根拠にすがることをもって生活の指針とする毎日が続いています。
 そんな今だからこそ、昔の人々が「自然」そのものと対峙する中で得た「知恵」に学ぶことも大きいように思われます。

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