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「決断の連続です」〜試験を間近に控えて〜.

投稿日2020/6/29

 
 例年ならば、4月末に催される中学1年生の「写生会」ですが、今年はあいにく感染予防の観点から見送りとなってしまいました。
 今は昔、そんな「写生会」に向けて行われた事前学習でのこと。
 
 「絵を描くことは決断の連続です」
 
 当時、芸術科(美術)のある先生がこうおっしゃったことが印象的でした。
 
 思えば、「絵を描く」ことと「試験」というものはとても似ているように思われます。
 学校での授業、家庭での予習・復習。これらは「下絵」そのもの。
 一見、何度でもやり直しのききそうなこの「下絵」の段階こそが、実のところ取り返しのつかない大事な「決断の連続」なのかもしれません。
 
 描く場所や対象を決め、構図を決め、中心を決める。こうした「決断の連続」なくして、その先の展開は望めません。
 これと同様に、日頃の授業での習得や家庭での自学自習を抜きに、真の実力を高めることはできますまい。
 
 さらに「下絵」に続き、いよいよ実体に迫るべく実相観入しながら一幅の絵を仕上げていくように、「試験」もまた自らの学習の成果を最大限発揮する場であり、学んだことを確かな実力とするための仕上げの一筆でなければなりません。
 
 しかしながら、当の画家たちはといえば、完成したはずの自らの絵の前できまって不満げな表情を浮かべつつこう呟きもするのですが。
 
 「どこまでいっても完成はない」と。
 
 たしかに、「試験」でもなかなか「満点答案」にお目にかかれるものではありません。
 
 ともあれ、こうした「コロナ禍」を転じて福となすべきは、何事も旧態依然としたやり方や前例に安住することなく、今こそ新たな「下絵」の制作に向けさまざまな「決断の連続」を重ねていきたいものです。
  
 ※掲載した絵は、過去に「夏期課題」として制作された生徒たちの力作の中から校内展示されたことのあるいくつかを集めてみました。
 

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