分散登校という形が始まって二日目の朝、錬成館前の紫陽花が雨垂れを全身で受け止めるようにして今まさに見頃を迎えています。
紫陽花は、その名を「七変化」とも。
紫陽花の花の色は、育っている環境や株によっても色が微妙に分かれ、さらに開花後の環境変化によってもまた濃くもなり淡くもなり…。
それ故、同じ花の色にとどまる時はひとときもなく、そのお陰もあって私たちの目を毎年その都度楽しませてくれています。
一方、学校内の各所に目を転じると、「元通り」の「学校生活」を「復活」するために躍起になっている様子がそこかしこからうかがわれます。
「分散」という形式であっても「登校」する生徒が一人でもいる以上、その一つ一つの感染拡大予防の取り組みは致し方のないこととはいえ、とても「新たな」「学校生活」の「創造」とは言い難い尋常ならざる異常な光景が繰り広げられていることも事実です。
「雨降って地固まる」とも。
願わぬ事態は、かえってその土台である基礎をあらためて見直し正すことにつながるものでもあります。
「学校生活」もまた然り。
今こそ、私たちは、季節の移ろいや環境の変化に巧みに即応しつつ、「新たな」「創造」を体現するべく「七変化」を見せる紫陽花の花々から、もっとも大切な、前進しながら生きてゆく姿勢というものを学ぶべきであるように感じられてなりません。