おはようございます。
生活指導部の笠井です。
本日は、3月にお届けして以来、新年度を迎えてから最初の「指導部からのメッセージ」となります。
しばしお付き合いください。
さて、みなさんは、先月の3月18日に、ドイツのメルケル首相が、自国のTV-Anspracheを通じて、全ての国民に向けて発した12分ほどの「テレビ演説」をご存知でしょうか。
わたくしは、残念ながら不勉強でドイツ語に通じていないので、そのままを理解することはできませんでしたが、そんな折、現在ドイツに在住で、日本語の翻訳を通してドイツと日本との架け橋となっていらっしゃる
林フーゼル美佳子 様
という方が、この演説とほぼ同時に日本語訳なさり、ご自身のブログに掲載されたのを発見いたしました。
その翻訳を一読して、わたくしは、いてもたってもいられず、(メルケル首相ではなく)林フーゼル美佳子様にメールを送りました。
「わたくしの務める学校の生徒たちにあなたの翻訳を通して、メルケル首相の声を届けたい」と。
すると、どうでしょう。
即時、ご返事を頂戴し、快くご承諾をいただくことができました。
林フーゼル美佳子様、この場をお借りして感謝申し上げます。
ありがとうございました。
それでは、さっそく英訳の字幕の流れる動画に、恥ずかしながら、同時通訳風に、林フーゼル美佳子様の翻訳を朗読したものを乗せて、みなさんにお届けいたします。
(上級生のみなさんは、わたくしの音声をミュートして、自ら日本語訳してみて、「英語」の勉強に役立ててみるのもよろしいかと思います)
みなさん、いかがでしたか。
その内容から、どのようなことを感じましたか。
わたくしは、国語を担当していることもあり、その談話内容もさることながら、「ことば」のもつ真の「力」について、あらためて考えさせられました。
わかりやすさ、説得力、具体性…。
どれをとっても、すばらしいと思うのですが、ではそうした「力」をもつ「ことば」がどうしてメルケル首相から生み出されたのでしょうか。
「共感」
おそらく、メルケル首相は、その身こそ「テレビ演説」の収録の場にあっても、ご自身の気持ち、心は、それぞれの立場に置かれて立ちすくむ民衆一人一人のもとに「寄り添う」ようにあったのではないか、と思うのです。
その証拠に、少なくともグローバルな時代にあって、国境を越え、遠く離れた日本に暮らすわたくしのような一市民の心にも強く響いたのですから。
加えて、この談話が、かれこれすでに1ヶ月近くも前の、「3月18日」の時点であったということも。
この機会に、「ことばの力」について、みなさんも考えを深めてみてください。
それでは、また。
ご家族も含め、くれぐれもご自愛のほど。