涼風わたる高層湿原からいざ久我山台上に下り立ってみるに、今日の残暑はさすがに身にこたえるものがありました。
とはいえ、流れる雲も、いつしか夏のそれとは異なり、たなびくようで、青天そのものも高く感じられます。
そんな中、今年もいよいよ中学2年生を対象とした「華道」実習が始まりました。
今日はその初回にあたり、小原流の師範から「生け花」というものについての講義と「たてるかたち」および「かたむけるかたち」の実演が披露されました。
「五節供のうち、上巳にあたる桃など、花には邪気を払う力があります。」
「主枝と客枝との取り合わせや、飾る場所と花器とのバランスなど、生け花ではなにより調和を大切にしなければなりません。」
「花そのもの顔や表情をじっくりと見つめることが大切です。」
「葉は決して余分なものではなく、花の価値を高める大事な役割を担っています。」
「例えば、ひまわりなら、立ち姿が最もふさわしいように、生け花は不自然であってはなりません。」
室町時代、床の間の出現とともに本格的にお目見えした生け花の世界。
その後、「自然」を家の中に取り入れながら、時代とともに、ふさわしい空間に合わせるように様々な「型」を生み出してきました。
次回からは、そうしたいくつかの「型」のうち、基本となる「たてるかたち」と「かたむけるかたち」について生徒自身が挑戦します。