生ける姿をそのままに写しとる
新緑も雨に洗われて、水面だけでなく
緑陰の小径に出来た水たまりもまた映し絵のごとく…
と……なるはずでした
が!
「洗われ」てしまったのは
「画用紙」であり、「絵描き」の卵たちでもあったようです。
とはいえ、新緑はもちろんのこと、薄紫のシャガの群生や、薄紅色したハナミズキ、さらにはツツジ、ハナダイコン、クサノオウなどのたくさんの花々が池の畔を彩っていました。
また、まさに「井の頭」である湧水地の「お茶の水」は、ふだん以上に豊かな流れを見せてくれていました。
この年、この日にしか味わうことのできない貴重な体験と思えば、雨中の写生会となった今年は、かえって思い出深いものとなったにちがいありません。